2016年3月1日火曜日

四倉の新名所

 常磐道いわき四倉ICの南隣に、JRとまとランドいわきファームが経営する「ワンダーファーム」ができた。オープン最初の日曜日(2月28日)朝、どんなものかと見に行った。広い。とにかく広い。「農と食のワンダーランド」ということばが思い浮かんだ(もちろん「ワンダーファーム」からの連想だが)。
 
 直売所(森のマルシェ)がある=写真(開店前の9時半ごろ)。レストラン(森のキッチン)がある。加工工場(森のあぐり工房)がある。これらが広い敷地に点々と配されている。そう、それらは里山に囲まれたアグリの海に浮かぶ島々。海はやがてガーデン・農園・多目的イベント広場になる。施設の南に隣接してハウスが並ぶ(太陽光利用型植物工場=トマト生産工場=がそれか)。

 JR東日本が2014年9月に発表した資料をネットで読んだ。同社グループの経営理念のなかに「地域に生きる」がある。そのひとつが「6次産業化」の取り組みだ。簡単にいうと、とまとランドとタッグを組み、四倉で生産したトマトを、首都圏の同社グループ会社で業務用として使い、さらにワンダーファームで使う。

「農と食のワンダーランド」と感じたのは、施設が大規模に展開しているからだけではない。たぶん、ここへ何度も来るようになる(つまり、リピーターになる予感)。買い物に。食事に(カミサンがすでにその気になっている)。あるときは孫を連れて。ここでは孫を“放し飼い”、いや“野放し”にできる。

 夏場、高速道路を使って四倉海水浴場へ泳ぎに来る人にとっても、いい「寄り道の駅」になるだろう。四倉の、いやいわきの新名所だ。

「ワンダーファーム」の若い経営者を、たまたま知っている。震災前に始まった「昔野菜」発掘調査で行政の担当者とつながり、その延長で風評被害と闘う生産者・料理人などとも知り合った。若い経営者もその一人だが、別の会議でも顔を合わせていた。震災からしばらくたって、学校が同じです、JRに勤めていました――と教えてくれたのは市役所の幹部職員氏だった。

 <農>の連想で女性陣は共同経営者をJAと勘違いする。JRだ。JRが資本参加をすること自体、すごいことだと男の私は思うのだが、古巣とのコラボレーションの根っこにあるのは経営者の資質・人間性だろう。

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