2016年3月20日日曜日

カラスとの闘い

 行政区の総会を前に、区の役員会を開いた。会計監査を行い、予算・決算、事業報告・計画案を了承した。カンパニーと違ってコミュニティは「安全・安心」が目的だ。毎日が無事に、平穏に過ぎることを願って、役員は1年間活動してきた。
 地域の平穏を破るカラス=写真=の話になった。わが区の場合、隣組から要請があれば区費でごみネットを購入する。会計さんが「毎年、ごみネットを更新する班があります。大事に使ってください」。すると、すぐ「カラスにネットを破られるんです」。大事に使っていても更新せざるを得ない、という反論が出た。なるほど。現場の声を聞かないとわからないことがある。
 
 私も役員会の何日か前、市役所から電話を受けた。「○○のごみ集積所は、カラスにごみ袋をつつかれて生ごみが散乱している。区長にそのことを伝えろ、ということなので。だれから?匿名です」。そういう苦情があったことを役員さんに伝えながらも、私はその電話が解せないのだった。
 
「銘々自分の戸の前を掃け/そうすれば町のどの区も清潔だ。/銘々自分の課題を果たせ/そうすれば市会は無事だ。」。私は、ゲーテが死ぬ直前に書いた4行詩「市民の義務」が、コミュニティの原点だと思っている。「いつもごみ集積所の掃除をしている」という役員さんがいた。苦情の電話より実践ではないか。

 わが区の世帯数はざっと335。アパートなどの未加入世帯を加えれば、実数はどのくらいになるのか。未加入でも現実には同じコミュニティのなかで暮らしている。当然、ごみが出る。既存の集積所を利用すればトラブルの元になる。で、最近は新たに大家=不動産業者が市にごみ集積所の設置を申請することもある。
 
 ごみネットをかぶせただけでは脇が甘い。カラスはすきまを見逃さない。そこからごみ袋をつついて生ごみを引っ張りだす。歩・車道に生ごみが散乱する。
 
 どのごみ集積所でもカラスとの闘いが続く。エンドレスだ。が、そのエンドレスをできるだけ平穏なものにしたい。まずは生ごみをレジ袋や新聞紙に包む。「えさはないぞ」というシグナルをカラスに送ることだ。そこから始めるしかない。

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