福島県にも7月9日、「熱中症警戒アラート」が発表された。で、外回りの予定を急きょ、翌10日に順延した話を7月11日に書いた。
予報通り、9日は猛烈な暑さになった。茶の間で静かにしていたとはいえ、病院の入院患者よろしく、ずっと横になっているわけにはいかない。
もちろん座いすを倒して本を読むことはある、パソコンにブログの原稿を入力するのも、早朝から昼にかけての仕事の一つだ。
それとは別に、台所の糠床を再生させる――そう決めて、前日に引き続き食塩をパラッとやって、糠床をかき回した。
このところずっと食塩も、糠(ぬか)も補給せずにきた。すると、この暑さも手伝って、乳酸菌の動きが活発になったらしい。
キュウリはたちまち緑色が失せて、古漬けのような茶色に変わる。食べては塩気が足りない。「味のない古漬け」では食べ物にならない。
たまたま月曜日(7月7日)の夕方、晩酌をしているところに若い仲間がやって来た。古漬けのようなキュウリを見るなり、「食塩を足して乳酸菌の活動を抑えなくちゃ――」。
やっぱり、そうか。茶の間の室温は朝から30度を超える。ときに、34度にもなる。台所も似たようなものだ。窓と戸を開け放っても、室温はあまり下がらない。
糠床は、夏場は北側の階段の下に移すのだが、そちらはほかのものでふさがっている。今あるところで乳酸菌の活動を抑えるしかない。
というわけで、糠床に食塩を加えたあと、隣の直売所からキュウリを調達した。試し漬けである。
まずは午前10過ぎに3本を糠床に入れる。夕方5時前に取り出すと、見た目はほどよい感じで、塩味もまあまあだった=写真。やはり食塩が不足していたのだ。漬けていた時間はざっと6時間。
次の日、近所の知り合いから家庭菜園のキュウリが届いた。夕方、さっそく3本を糠床に入れる。翌朝5時には取り出した。およそ12時間漬けていたことになる。
ん? 表面の緑色は残っているにしても薄い。味は、まあまあだ。ということは、漬け過ぎか。
6時間と12時間。そして、この猛暑。塩分だけに絞っていえば、今は6時間で十分のようだ。
つまり、朝入れたら昼には取り出す。それが今の時期、糠漬けのキュウリとしては一番の食べ方らしい。
カミサンは、糠が古くなっていることも関係しているはずだという。その糠をどこから調達するか。
カミサンの実家では米屋をやめたものの、まだ玄米は残っている。自家消費用として精米しているので、糠は出る。それをしばらくは使えるという。
いずれにせよ、小さな営業と小さな暮らしが結びついてこその食文化だ。日曜日の魚屋さんの刺し身も同じで、暮らしの豊かさはそうした小さなネットワークの中で成り立っている。いや、「成り立っていた」と今はいうしかない。
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