2025年7月15日火曜日

写真のコウノトリに会う

                             
   いわき市小川町三島地内の夏井川にコハクチョウが1羽残留している。そこへ6月下旬、コウノトリが現れた。草野心平記念文学館のスタッフが偶然、この大型鳥を撮影した。

7月11日から文学館の「オタクロード」(休業中のレストランへの通路)で、小さな企画展「コウノトリと帰らない白鳥展」が開かれている(8月31日まで)=写真。

 コウノトリ飛来の話は、先日のブログでも紹介した。残留コハクチョウにえさをやっている「白鳥おばさん」から届いた手紙で飛来を知り、その直後に文学館がコウノトリの写真をSNSにアップした。

 文学館では7月5日から8月31日まで、夏の企画展「吉村昭と磐城平藩」が開かれている。

 最初の日曜日(6日)にこれを見たあと、写真のコウノトリに会いに来ることにした。それで13日の日曜日、また文学館を訪ねた。

 コウノトリを撮影したのは館長氏だという。たまたまその館長氏から話を聞くことができた。

 前職はいわき駅前のラトブに入居している総合図書館の館長だった。定年で退職後、地元にある文学館の館長職に就いた。

 休日に三島の夏井川の近くを通ったら、前方に大きな鳥が現れ、岸辺に着陸する態勢に入った。

 館長氏はここでピンときたのだろう。急いで家に戻り、望遠レンズを持ち出して、大型鳥を撮影した。残留コハクチョウのそばにいるところも写真に収めた。

その撮影データを基に、小さな企画展を開いたというわけだ。あいさつ文にこうある(要約)。

コウノトリが飛来したのは6月28日。草野心平の詩に「幻の鳥の一列」があり、阿武隈の山並みに飛んでいくコウノトリが出てくる。幻といっても今ほどではなかったのだろう。

現在は、兵庫県などが中心となって保護・増殖が進められ、2025(令和7)年には、野外のコウノトリの個体数は500羽に達すると見込まれている。小川に飛来した個体も足環をしているので、どこかで放鳥された1羽だろう。

そして、三島に飛来したときの様子――。コウノトリは上空から残留コハクチョウを見つけたのか、ハクチョウめがけて着陸態勢に入り、近くに降り立った。

コウノトリは羽繕いをしたあと、少しずつコハクチョウに近づくのだが、コハクチョウは後ろに引いて2羽の距離は縮まらない。

さて(これは私の感想)――。三島にはこのごろ、アオサギも岸辺にいる。コウノトリはアオサギより一回り大きい。が、コハクチョウとはたぶん大きさはそう変わらない。足が長い分、大きく見えるのだろう。

写真に併せて、心平の詩「幻の鳥の一列」のほか、「コウノトリ自身」「新年の白鳥」が紹介されている。

「白鳥おばさん」は残留ハクチョウに「エリー」という名前を付けた。館長氏は、それには少し驚いたようだった。

0 件のコメント: