2026年5月16日土曜日

はんてんの角文字

                                  
 祭りのはんてんに角張ったデザインが施されていた。ラーメン屋のどんぶりのふちに、似たようなデザイが並ぶ。四角い渦巻き模様で「雷文」というそうだ。それを連想した。

 ゴーデンウイーク中の5月4日(みどりの日)、近くにある立鉾鹿島神社の例大祭が開かれた。

 みこし渡御に先立ち、午前10時から拝殿で祭典が執り行われた。夜の大雨は、朝には霧雨に変わり、はっきりしない天気ながら傘は差さずにすんだ。

 祭典が進む中、そばの森からウグイスのさえずりが飛び込んでくる。神社の南には石の鳥居がある。神社との間、つまり境内を常磐線の線路が横切っている。そこを電車が通過する。

 祭典に集中しながらも、耳はウグイスや電車の音を拾い、目は前方、横向きに座っている神社総代のはんてんに注がれる。

はんてんの腰のあたりに雷文のような角張った線の模様が描かれている。そのデザインに引きつけられた。

よく見かけるのは2色(たとえば白と黒)の格子状の「市松模様」とか、菱形を連結したような「吉原つなぎ」だが、それらとは違って、直線を迷路のように組み立てた四角いデザインだ。

前に線路を渡ってみこしが出発するところをカメラに収めたことがある=写真(平成28年5月撮影)。

拡大した画像をあらためてチェックすると、はんてんの背中には赤い文字で「立鉾」と入っている。腰柄は一部、帯に隠れて見えないが、なにか漢字をデザインしたような印象だ。

祭典が終わって、知人でもある神社総代に尋ねると、「さあ」。知人がすぐ宮司さんに聞いた。もちろん意味がある、という答えだった。

すぐ記念撮影に入るというあわただしいときだったので、話はそれで終わった。ただのデザインではない。いよいよ興味がわいてきた。

家に帰って、ネットで画像を検索しているうちに、似たような腰柄に出合った。「角文字」あるいは「角字」というものらしい。

毎年、ゴールデンウイークには祭りが集中する。その画像がSNSにアップされる。今年(2026年)ははんてんのデザインに集中して、いわき市内の祭りの画像をチェックした。似たような角文字は見当たらなかった。

 ほかの神社の例から4文字、あるいは6文字で構成されているようだ。「立鉾鹿島」の4文字は入っていると思うのだが、自信はない。いつか宮司さんに確かめてみよう。

 これは蛇足。角文字は白抜き(白文字)なら「日向(ひなた)」、はんてんの地色と同じ色で、字の周りが白く縁取りされているのは「影」と呼ぶそうだ。

 ついでにもう一つ。線路の前に立つ石の鳥居は、昭和8(1933)年12月、地元の篤志家が寄贈した。その物語をブログに書き、いわき民報にも転載した。

宮司さんに請われて新聞コピーを進呈すると、さっそくコピーして出席者に配布した。私にとってはハプニングながら、望外のPRになった。

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