ヤマユリの花が咲き出した。といっても、夏井川渓谷ではない。いわきの中心市街地である。
7月最初の日曜日(5日)。いつものように夏井川渓谷の隠居へ出かけて土いじりをした。
マチに用事があったので、10時過ぎには隠居を離れ、平窪で買い物をしたあと、ラトブに車を止めた。
用事は2つ。1つはサンダルを買うこと。もう一つはカミサンに従って、駅前大通りと本町通りが交差する角のゲストハウス&ラウンジ「FARO」に本を届けること。
ラトブの前の広い歩道は、国道399号を管理する県が「ほこみち」(歩行者利便増進道路)に指定している。
それでオープンカフェやキッチンカーの乗り入れが可能になり、ワークショップその他のイベントも開かれるようになった。
NPO法人「R399戸渡(とわだ)やまゆり会」がこれに賛同し、小川町・戸渡産のヤマユリのプランターを2つ展示している。
計7本あるヤマユリが多くのつぼみを付け、いくつかは大きく白くなって、まもなく開花という状態になっていた。よく見ると、その中の1輪が咲いていた=写真。今年(2026年)の初ヤマユリである。
ヤマユリは夏を告げる植物だ。私が生まれ育った田村市常葉町では、ちょうど小・中学校が夏休みに入るころ、山道などで咲き出す。
「花札」に追加する図柄を勝手に選ぶとしたら、私は迷うことなく「入道雲にヤマユリの花」を挙げる。大好きな花のひとつだ。
ま、それはともかく、7月に入ると夏井川渓谷でもヤマユリの花が咲き出す。毎年、隠居までの道行きでヤマユリの花を見た日を記録している。
この四半世紀の「定線観測」では、おおむね7月12日前後に開花を確認している。最も早かったのは去年の7月6日で、その前は2018年の7月8日だった。
春のアカヤシオもそうだが、渓谷の「花ごよみ」は年々早まっている。7月第3週には「ヤマユリ街道」になっていることだろう。
戸渡やまゆり会は、戸渡産のヤマユリが旧戸渡分校の児童と皇室をつないだ縁を後世に伝え、ヤマユリの栽培・普及を通して小川地区の国道399号添いの地域振興を図ることを目的にしている。
拙ブログ(2018年5月4日付)から戸渡分校とヤマユリと皇室の関係を振り返る。
――昭和34(1959)年晩秋、分校の子どもたちがヤマユリの球根約2000個を集め、皇居の吹上御苑に献納した。
同36年6月1日、小名浜の放魚祭に皇太子夫妻(現上皇・上皇后両陛下)が臨席した際、平(現いわき)駅で戸渡分校生と対面し、美智子さまがヤマユリのお礼に『新美南吉全集』(3巻)を贈った。
さらに同年11月、東宮御所にヤマユリの球根300個を献上すると、お礼に皇太子がメタセコイアの苗木5本を贈った――。
「ヤマユリ分校」として知られるようになったゆえんがこれである。それから67年。今度はいわき駅前と戸渡が国道399号とヤマユリを介してつながった。
0 件のコメント:
コメントを投稿