曇雨天が続いたせいか、10月2日の青空には身も心も、いや家も庭も、道路のアスファルトも、朝日を浴びてポカポカぬくもっているようだった。
青空を西から東へといわし雲が伸びていく=写真上1。久しぶりに見る「天空の名画」だ。
季節の移り行きは長雨にまぎれてあまり感じなかった。が、さすがに秋分の日の前後からは、朝晩、体が冷気に包まれるようになった。
今は、はっきり「寒い」と感じるときもある。まずは服装だ。長そでシャツの上にベストをはおる。パジャマは、夏用では手足がひんやりするようになった。そろそろ薄いふとんを掛けないと。
朝晩の冷気には日の出・日の入りも関係している。夕方の6時になると、外はもう暗い。夜が明けるのもむろん遅くなった。
いわし雲を見た晩、地元の公民館で11月の行事の打ち合わせがあった。個人的には晩酌の真っただ中だが、現役のママさんたちに合わせると、会議の開始時間は早くて6時半になる。晩酌はその後にした。
やはり薄暗い。暗さに目が慣れない。こんな時間帯に車を運転するのはほとんどなくなった。
つい先日、運転免許の更新に必要な高齢者講習を受けた。認知症かどうか、動体視力・夜間視力・水平視野はどんなレベルか――。
動体も夜間も「劣っている」という判定だが、これは経験的にもわかっていることだ。それで、夜間の運転はできるだけ避けるようにしている。
運転はもちろんだが、晩酌を始めるともう外には出ない。ただし、9月25日は夜、庭に出て「中秋の名月」を拝んだ。
晩には薄いカーテンのような東の曇り空におぼろ月があった。夜になるとこの雲が去り、晴れて明るい月が顔を出した。
テレビのそばにはハギの花。カバーを取ったこたつの上には栗。そして、後輩から届いたポポー(ポーポー、ポポ)の実=写真上2。いずれもお福分けだ。それを「お月見」の供え物代わりにして、食べて名月を祝った。
ポポーは、見た目は黄色いアケビだ。縦に2つに割ってスプーンで果肉をすくい、ねっとりした濃密な甘さを楽しんだ
ポポーは北アメリカ原産、耐寒性が強い。すでに明治時代には栽培が始まり、1940年代まではポピュラーな果樹だったとか。カミサンの家にもあった。秋の味である。
面白いことに、人間の心理は巡ってきた季節の一つ先を行く。10月になると、どこへ行っても耳に入るのは、「あど3カ月で正月だね、やだごど」。主婦の本音である。寒さとともに年末・新年へと人間の世界はあわただしさを増していく。
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