2012年1月6日金曜日

童謡館再オープン


きのう(1月5日)の午後2時過ぎ、再オープンイベントが行われた「野口雨情記念湯本温泉童謡館」を訪ねた。

童謡館は大震災後、傷みがひどく休館を余儀なくされた。が、そのままにしておくわけにはいかない――運営団体の「童謡のまちづくり市民会議」(九頭見淑子会長)が市の補助制度を活用して修繕し、活動を再開した。

ざっと車で湯本の街を巡ったあと、童謡館へ向かった。信号待ちをしていると、2代目館長の矢内忠さんが童謡館から歩いて自宅へ戻る途中だった。歩道を歩いているうちに声をかけられたのだろう、信号待ちの車のドライバーとなにごとか語り合ったあと、すぐ歩き出した。童謡館のイベントが終わったことを、それで知る。

童謡館の駐車場に車を止めて「裏口」から入る。九頭見会長が奥の流しにいた。「“嵐”が去ったところだよ」。イベントがうまくいった証拠だ。ひととおり館内をウオッチングしたあと、その日の担当のYさんら=写真=と茶飲み話をした。

「ちょうど4年前のこの日だね」。私が言う。童謡館がオープンした日だ。会社を辞めて2カ月ちょっと、初代館長の故里見庫男さんに誘われてオープンに立ち会い、その後、童謡に関する宿題を与えられて、月に一回、同館で「文学教室」なるものを開いた。その宿題を今も抱えて自習している。

再オープンの日を5日にしたのはむろん、4年前の初心に帰って再出発しようということだろう。

午前10時にセレモニーが始まった。そのあと、①すずめの学校の歌(童謡)②緑川明日香さんの朗読(雨情や草野心平の詩ほか)③北茨城の雨情の里音楽祭事項委員会の面々の歌――が披露された。プログラムにない打楽器演奏(加藤ちゃぼさん)もあった。

どこにも案内状は出していない。いわき民報に予告記事が載っただけ。それでも副市長らが祝いに駆けつけたという。

観光客がいないために「静かな静かな里の秋」のような湯本の年明けだった。「こんな静かな正月は初めて」と九頭見会長は振り返る。そのにぎわいを取り戻すきっかけのひとつが、童謡館の再オープンだ。

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