2012年1月11日水曜日
災害ガレキ仮置場
年末に新舞子の“海岸道路”をドライブしてびっくりした。仁井田川の河口をはさんで、無事だった防波堤と道路の間のスペースに災害ガレキが山となっていた=写真。あとでいわき市のHPをのぞき、昨年10月に策定された復旧計画を読んでわかった。そこは「仁井田川河口広場」と呼ばれるところ。災害ガレキの仮置場だ。
市内には災害ガレキの仮置場が18カ所ある。海岸部に9カ所。津波被災地域からの「災害ごみ」を集積し、分別する。その一つが「仁井田川河口広場」だ。同じく内陸部に9カ所。震災で出た家庭からの「災害ごみ」を仮置きしている。
いわきのガレキその他の災害ごみは、福島県の推計に基づき88万トンと試算されているそうだ。昨年11月中旬までに仮置場に搬入された量は約50万トン(57%)。これらを県産業廃棄物協会いわき方部会員で構成する共同企業体に委託して、可能な限りリサイクルすることを基本に分別を進めている。
分別は思ったよりきめが細かい。①家電4品目②小型家電類(一部売却)③金属類(売却)④コンクリート殻・大谷石⑤木くず⑥廃プラスチック類⑥その他(マイカ・冷凍魚類・農薬など)――に及ぶ。大谷石は塀に使われていたものだろう。
問題はリサイクルできずに焼却ないし埋め立て処分をするしかないごみだ。放射能への不安による住民の反対のために処理がストップしている。それもあって、昨年11月段階での処理量は約3万トン、全体の3・5%にとどまる。この点が今までの自然災害と大きく異なる。「文明災」といわれるゆえんだ。
いわきの被災地のガレキ撤去はあらかたすんだように見えるが、それは生活空間から離れたところにガレキを移しただけのこと。処理し終わるには、数年はかかるというのが市の見立てだ。それでも、見えない放射能をにらみながら一歩、一歩前へ行かないと――3・11から10カ月のきょう、そんなことを自分に言い聞かせる。
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