2012年3月25日日曜日

旧小川跨線橋


いわき市小川町の国道399号中島バイパスは2011年2月11日に全線が開通した。3・11のちょうど1カ月前だった。JR磐越東線に架かる新小川跨線橋の供用が開始されると同時に、旧跨線橋の通行が禁止された。

3・11までの1カ月間に二度ほど新跨線橋を利用した。直近は3月9日。夏井川渓谷の無量庵へ出かけ、そこで地震に遭遇したのでよく覚えている。

震源は三陸沖。宮城県北部で震度5弱だった。間もなく正午というとき、家(無量庵)のガラス戸がカタカタいい始め、次第に家全体が揺れ出した。急にグラグラッとくる感じではなかった。横揺れ、しかも長い。それが3・11の前兆とは夢にも思わなかった。

この1年間、新跨線橋を通ったらそのままバイパス終点へと直行していた。が、どうも面白くない。行きはバイパスなら帰りは一筋町の旧道を通ろう、先に旧道を利用したら帰りはバイパスへ出よう――なにより、旧道の家並みの奥には草野心平生家がある。そうして行き帰りに変化をつけているうちに、もう一つのルートを“発見”した。

新跨線橋の手前の坂を右折し、ちょっと行って踏切を渡るとすぐ旧道に出る。バイパスを利用するより距離を短縮できる。バイパス建設事業者からすれば、一番使ってほしくないルートだろう。なにより跨線橋は踏切利用を減らすためにあるのだから。

旧跨線橋は片側の坂道が撤去されていた=写真。橋そのものはまだ線路の上に架かっている。いずれ橋も、それに続く坂道も撤去されるのだろう。第三の道を利用したからわかった“珍風景”ではある。

0 件のコメント: