2012年3月6日火曜日

東北まち物語紙芝居


広島の市民団体「ボランデポひろしま」が<東北まち物語紙芝居化100本プロジェクト>を展開している。その紙芝居公演が3月3日、いわき市で行われた。

広島からやって来た「一座」は、泉玉露(富岡町の応急仮設住宅)と中央台高久(広野町の第四応急仮設住宅)の2班に分かれて公演した。連絡がきたので、中央台の公演を見た。

開演時間の午後3時。会場の集会所が広野町のお年寄りでいっぱいになった。広野町に由来する紙芝居は「日之出松物語」と、童謡「とんぼのめがね」の2本。これに、広島で昭和21年の大みそかに開かれた第九のレコード演奏会にちなむ「第九伝説」、いわき市の「おな石伝説」=写真=も披露された。

3年間で100本の紙芝居をつくり、東北の人に届けるのだという。地道なプロジェクトで、いわきでは「おな石伝説」のほか、「星一」と「三函座」が紙芝居になる。いわき地域学會にも地元のNPOを介して依頼があり、歴史的な津波に材を取ったシナリオを仲間が書いた。

紙芝居の物語を書いたり、資料を提供したりするのは東北の人。それを受けて広島の人が紙芝居に仕上げる。紙芝居は地元の人に引き継がれ、地域活性化のツールとして役立ててもらう――というのが狙いだ。

話者は、ふだんは広島弁で話している。福島の紙芝居を演じるにあたっては、広島に住む福島県出身者に方言の指導を受けたという。「おな石伝説」に関して言えば違和感はなかった。上演後、広野町の人に、そしていわきの「おな石伝説」資料提供団体に紙芝居が贈呈された。新しいつながりが、またひとつできた。

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