2026年3月11日水曜日

最後のホウレンソウ

                              
   このところ、朝10時前に夏井川河口から右岸堤防を車で通ることが多くなった。河川敷の公園にはいつも人がいて、ターゲットバードゴルフを楽しんでいる。

堤防からは阿武隈のスカイラインがパノラマとなって見える=写真。左に常磐の湯ノ岳~三大明神山、中央に閼伽井嶽~水石山、右に二ツ箭山~三森山。

いわきの夏井川流域だけでも平地は圧倒的な広がりを持つ。通るたびにそのことを実感する。

 それぞれのスカイラインが沈みこむところに川がある。閼伽井嶽の西側は好間川、二ツ箭山の西側は夏井川。川が山地を切り分け、平地に出て合流する。好間川は夏井川の支流だ。

 このスカイラインにも風車や送電鉄塔などの人工物が立つ。水石山には「空の灯台」がある。

ま、それはさておいて、朝、河口から堤防を戻るのにはワケがある。藤間中学校の近くに野菜の直売所がある。そこへ通うようになったのだ。

目当てはホウレンソウ。師走に「孫」の親と「ホウレンソウ鍋」を囲んだ。カミサンの友達がこの直売所で買ったホウレンソウを持ってきた。抜群のうまさだった。張りがあって甘かった。

以来、ほぼ1週間に1回のペースで直売所を訪れ、帰りは海岸道路に出て河口から堤防に出る。

海岸道路はクロマツの防風林の中にある。防風林は15年前のきょう(3月11日)、津波をかぶり、塩害を受けた。かなり茶髪になったため、至る所で松の苗木が植えられた。

それが育ちつつあると思ったら、今度はマツクイムシによる茶髪がひどくなった。その茶髪を見ながら通る。

「朝早く行かないと売り切れてしまう」。通い続けてわかったのだが、直売所は朝9時前後に開く。カミサンの友達の言葉に従って、朝食をとるとすぐ出かけるようにしている。

直売所(ビニールハウス)にはおばさんがいる。2月下旬になると、「ホウレンソウは終わり」といわれたが、たまたま2袋を分けてもらった。これが今季最後のホウレンソウになった。

1週間後に行くと、青物はコマツナだけだった。「ホウレンソウは冬だけ」。収穫もついに終わったということだろう。

イチゴの産地でもある。カミサンはイチゴも買う。シイタケや春彼岸の花も売っている。ホウレンソウを目当てに来るのはマチ場の人が多いようだ。

北風が吹き荒れる日も、中は石油ストーブがあって暖かい。海側のビニールは破けている。それで酸欠の心配はなさそうだ。

地元のおじさんが、暖を取りながらおしゃべりしている。そう、ちょっとしたコミュニティスペースでもあるのだ。

ホウレンソウが終わりなら、通い続けるのも……とアッシー君は思うのだが、「トマトもうまい」とカミサンの友達は言う。となれば、カミサンの直売所通いは続く。アッシー君はそれに従うだけだ。

車で往復ざっと30分。マチ場と農村部がほどよい距離で共存しているいわきならではの小ドライブではある。

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