うまいでも、まずいでもない。ベトナムのハロン湾で食べたカブトガニ=写真=のことだ。それに、日本のカブトガニのことを思い出して、少し罪悪感がはたらく。
9月に仲間と連れ立ってベトナムとカンボジアを旅した。そのことを、何回か書いている。最初の観光地はベトナム北部のハロン湾。「海の桂林」だ。観光船の中でシーフードの昼食になった。
ハロン湾に暮らす水上生活者(漁民)が、魚介類を売るべく小舟で観光船に近づいてきた。カブトガニがあるという。西日本のいくつかの市で天然記念物になっている「生きた化石」だ。日本人の感覚では、食べるのはなぁ――となる。
が、ベトナム、いや東南アジアでは食材の一つなのだろう。仲間が興味を示して、1匹買った。8ドル。1ドル80円だから640円だ。それを船のシェフが調理してくれる。
ゆでたか、いためたかしたのだろう。細かく刻まれたものが出てきた。うーむ、殻ばかりで身が少ない。あとでネットで調べたら、タイでは雌の卵を食べる。すると、これは雄か。
身が少ないから、味もよくわからない。残ったのは「話のタネ」だけだ。カブトガニはどうも日本人の口にはなじまないのではないか、と思った。
「話のタネ」のついで――。ガイドの青年の物言いがおもしろかった。われわれがアルコールを口にする。「飲み放題、払い放題です」。ユーモアのわかるガイドだった。
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