いわき総合図書館の新着図書コーナーに珍しいテーマの本があった。こばやしあやな著『世界浴場見聞録』(学芸出版社、2025年)=写真=で、著者はフィンランドに住む。
北欧のフィンランドと言えば、サウナ文化の国だ。10代半ばで見た映画に、サウナ小屋で体を温めた女性がそばの湖に飛び込むシーンがあった。
これが60年たった今もありありと思い浮かぶ。映画は確か、ヤコペッティ監督の「世界残酷物語」、あるいは「続世界残酷物語」だった。
本のなかごろにサウナ文化が紹介されている。著者はフィンランドの大学院に入学後、中部のユヴァスキュラで暮らした。街は湖水地方のど真ん中にある。
「風光明媚なこのエリアには、多くのフィンランド人が家族用のサマーコテージを所有し(別荘は決して贅沢の象徴ではない)、湖畔のあちらこちらに、愛らしい木造サウナ小屋とそこから伸びる桟橋が覗いている」
映画のシーンと現実が重なり、「世界」あるいは「続世界」残酷物語をいつ、どこの映画館で見たか、確かめたくなった。
高専の1年か2年のときだった。日曜日に洋画専門の映画館で見た記憶がある。仲間が一緒だったかどうかははっきりしない。
図書館のホームページにある「郷土資料のページ」を開き、デジタル化されたいわき民報の「映画案内」と映画館の広告を逐一チェックした。
それで、昭和39(1964)年11月、ひかり座で上映された「続世界残酷物語」らしいことがわかった。
後日、「パソコンのホームドクター」である若い仲間が来て、デジタル化された図書館の新聞記事を簡単に検索できる方法を教えてくれた。
彼が組み立てたネットの「いわき文献案内」がある。それを利用すると、過去記事を簡単に引っ張り出せる。
ためしに「世界残酷物語 映画」で検索すると、「続世界残酷物語」「ひかり座」「昭和39年11月13~23日上映」が瞬時にわかった。たぶんこれだろう。としたら、高専1年の冬休み前に見たことになる。
新聞の中身を逐一チェックしたときには何時間もかかった。「いわき文献案内」だと、知りたいことにすぐたどり着ける。
実は、前から「郷土資料のページ」を利用しながら、「キーワード検索ができないものか」と思っていた。それが現実のものになった。
図書館は過去の新聞記事(いわき民報は昭和56年まで)をPDF形式で公開している。グーグル検索を使うと、とても簡単に目的の記事を探せる、と「いわき文献案内」にあった。
かねがね望んでいたことが可能になったという意味では、私の中では大きな「情報革命」だ。
さっそく「いわき文献案内」を介して、思いつくテーマの情報を集め出した。以前に比べて、飛躍的に情報の質量が増した。
それでわかったのだが、専称寺が梅林として知られるまでには一人の人間の悲願があった。あしたにでもそのことに触れたい。
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