2012年12月4日火曜日

元気をくれるはがき


いわきの海岸部(豊間=写真)で津波に襲われ、今は内陸部で避難生活をしている知人がいる。私のブログを介して、息子さん(タイにいる)と、知人と、私とがつながっている――そういう実感を持てるのは、知人からときどき、タイ経由の感想をふまえたはがきが舞い込むからだ。

きのう(12月3日)届いたはがきには、家庭菜園で栽培している辛み大根・白菜・普通の大根のこと、タイの息子さんとの電話のやりとり、豊間の私の知人(大工)のことなどがつづられていた。

なかに厳しい体験がつづられてある。いつも魚をぶらさげて届けてくれる隣のおっちゃんがいた。津波が来襲した3・11の翌日。その「おっちゃんは私のすぐ近くで毛布に包まれており、そのそばに二人の警官が。私は遺体の名前をつげて」その場を離れるしかなかった。生き残った知人が身元確認をしたのだ。

それから1年8カ月、そのおっちゃんの奥さんが亡くなり、葬式が12月2日に行われた。はがきには「明日(2日)……葬式です」とあった。読み返すうちに文面がぼやけそうになった。

津波に遭遇した人の心には、今も3・11のできごとが映っている。だから、残った者はちゃんと生きるのだ――不思議なことだが、知人のはがきはいつも私に元気をくれる。

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