平のわが家から夏井川渓谷の隠居までは車で30~40分だ。ルートは田んぼ道と、交通量の少ない県道小野四倉線(途中までは国道399号とかぶる)なので、自然と「ゆっくり運転」になる。
急げば30分くらいだろうか。渓谷に入るとカーブが連続する。ゆっくり運転でも、カーブの向こうからひょいと車が現れることがある。いつでもブレーキを踏めるように、抑え気味にして進む。
おもしろいことに、今の時期は日曜日ごとに春の装いが濃くなる。自然の変化を図る目安がある。日曜日だけの渓谷行なので、年・月・週の3つが主な目安だ。
渓谷のアカヤシオ(岩ツツジ)の花は「1年前」との比較であれこれ思いが巡る。
平地の三島(小川)の夏井川に残留したコハクチョウも、「白鳥おばさん」がいう「エリー」に違いない。
これも1年前の様子を思い浮かべながら、孤独なハクチョウになったつもりで気持ちを推し測る。
「1カ月前」では、まだ畑の土が凍っていたとか、ウグイスが初めてさえずったとかの話が思い浮かぶ。
目に見えて変化がわかるのは「1週間前」だ。要は日曜日ごとに渓谷の表情が変わる。
アカヤシオの花が満開になった1週間後、渓谷の県道はうっすら緑のトンネルに変わっていた=写真上1。
アカヤシオの花の感動のあとに、夏緑樹の芽吹きの色が広がる。この春の芽吹きを見ると心が安らぐ。
渓谷のふもと、小川の平地のどん詰まりに加路川がある。「裏二ツ箭」の方から流れて来て、そこで本流の夏井川に合流する。
合流部のそばの県道に橋が架かる。橋のすぐ上流にはJRの磐越東線の鉄橋がある。その間ざっと30メートルだろうか。
県道の橋の上流側に、なぜかはわからないがバナナより大きな葉を広げる巨大な草本が生えている。バショウらしい。
ワジュロは、ヒヨドリなどの野鳥が媒介者になって種を散布する。そんな野鳥由来と思われるワジュロが、あちこちの民家の庭に生えている。
しかし、バショウは野鳥由来とは思えない。だれかが植えたのだろうか。とにかくでかい。
その葉が晩秋には枯れ、冬の間、ボロボロの枯れ草色になっていた。これが、春を迎えて枯れ葉の間に新しい緑の葉をのぞかせ始めた=写真上2。
こちらは冬から春の1季節前、そして3月との比較でいえば1カ月前、あるいは急に緑が現れたという点では1週間前との比較で違いがわかった。
自然は絶えず生成・変移を続けている。その変化があるからこそ、35分のドライブもあきることがない。次は渓谷のシロヤシオだ。
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