2026年8月25日火曜日

医師作家夏川草介

                               
   ざっと1カ月前になる。「あさイチ」に作家の夏川草介が出演した。本業は医師で、しかも若い。老人医療を主題にした小説も書いているとかで、がぜん興味がわいた。

1978年に大阪で生まれた。信州大学医学部を卒業後、長野県内の病院で地域医療に従事しているという。

 2009年、『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞し、作家としてデビューした。

この作品は本屋大賞の2位にもなり、150万部を超える大ベストセラーになったそうだ。

 夏川草介というペンネーム自体、作家がらみだ。夏目漱石の「夏」、川端康成の「川」、「草」は漱石の「草枕」から、そして芥川龍之介の「介」。しゃれたネーミングから「くたばってしめえ」の「二葉亭四迷」を思い出した。

年寄りの了見の狭さというか、若いころに愛読した作家は年がいってもそのまま受け入れるが、大人になったあとに出てきた作家には、なかなか興味がわかない。

近年登場した作家は、名前は知っていても作品は読んだことがない、というケースがほとんどだ。

年下の元同僚が井坂幸太郎(1971年~)や星野智幸(1965年~)を読んでいると聞いて、作家と作品は時代と世代によって違うことを痛感した。

先日亡くなった東野圭吾もその一人。『クスノキの番人』を読んで、人間と人間の間に巨樹を媒介させたところに新しさを感じたが、彼の作品が広く若い人に読まれているのを知ったのは死を伝えるニュースで、だった。夏川草介も若い人には人気がある。

医師で作家といえば、久坂部羊がいる。こちらは71歳。認知症をテーマにした小説『老乱』を読んだのは6年前。久坂部は年齢も近い。

認知症や老人医療などは、もはや自分自身の問題でもある。これからやってくる、あるいはもう始まっている世界を知る上でも興味・関心がある。

その興味から夏川作品を読んでみることにした。いわき市立図書館のホームページを開くと、16冊の本があった。翻訳を除く14冊の大半が「貸出中」か「予約中」になっていた。これだけでも人気作家であることがわかる。

「あさイチ」に出演した日の朝、図書館にはたまたま「貸出可」が2冊あった。3日後の月曜日に借りに行くと、書架にはない。すでに「貸出中」になっていた。一歩遅れた。

かろうじてティーンズコーナーに『本を守ろうとする猫の話』と「君を守ろうとする猫の話』があったので、これを借りた=写真。猫が人間の言葉を話す。そこから物語が展開する。

超人気の『神様のカルテ』シリーズは出納書庫にあるが、デビュー作はやはり「貸出中」になっていた。これも「あさイチ」効果か。

毎年8月は「文字読み」の仕事が入る。今年は軽いタッチの夏川作品を頭において、連日、文字読みをした。

夏川草介は息子たちよりはずっと若い。彼のほかの作品はおいおいと。そう、老いては子に、いや若い人に従え、である。

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