日曜日は夏井川渓谷の隠居で過ごす。庭の一角にある菜園で土いじりをしていると、そばの県道をサイクリニストが駆け上がっていく。地理院地図によると、このあたりで標高は200メートルほどだ。
平地の小川では、加路川が夏井川に注ぐ片石田で標高が48・5メートルほど。これが急坂を上って渓谷に入ると、江田駅前あたりで134・7メートル、さらに上流の川前駅付近では281・5メートルになる。
その後も坂道が続き、市境を過ぎて田村郡小野町に入ると、やっと平坦な盆地が現れる。高原である。小野新町駅付近で標高はすでに428メートルほどになっている。
阿武隈の山の向こうの小野町と、太平洋に接するこちら側の平地、たとえばいわき駅前とは高低差が420メートルほどある。
ヤマ(阿武隈高地)に近いタニ(渓谷)の半住民としては、平地から駆け上がってくるサイクリニストには、いつも「ご苦労さん」という気持ちになる。
そして、そのたびに県道と並行して走る磐越東線を利用した自転車のダウンヒル(下り)があれば爽快なのに、と思う。
渓谷では、アカヤシオが開花する春と、紅葉の燃える秋に列車の徐行運転が行われる。
2013年11月19日付のブログで、カエデの紅葉に触れながら次のようなことを書いた。
――新聞で知ったのだが、11月9日には「サイクルトレイン」が実施された。いわき駅から田村市滝根町の神俣駅を目指して自転車で夏井川渓谷を駆け上がり、神俣駅から列車でいわき駅へ戻る、というきついイベントだ。
かねがねその逆、ヒルクライム(登り)ではなく、ダウンヒルなら団塊の世代も参加できる、そんな列車が運行できないものかと思っていただけに、次はぜひダウンヒルの企画を立ててもらいたいものだ。むろん、競技ではなく楽しみとして――。
そして、こう付け加えた。――アマカメラマンにまじって、風を切って県道を駆け下ってきた若いサイクリニストが、カエデの写真を撮っていた。
ダウンヒルだからこそできる「道草」だ。ヒルクライムでは、紅葉を撮影する余裕などないだろう――。
そのあとも、別のブログに書いた。――JRが一枚かめばいい。磐越東線で自転車ごと小野新町まで行って、そこから夏井川に沿って下って来る。そう思うだけで爽快な気分になる――。
これが12月5日にやっと実現する。「磐越東線サイクルトレイン」で、いわき民報で知った=写真。
コースは2つ。中・上級の小野新町駅発と、初級の川前駅発で、ゴールはともにいわき駅だ。
中・上級は小野新町駅を出発して夏井諏訪神社(翁・媼杉がある)~川前駅~夏井川キャンプ場(江田)~曙ブレーキ工業を巡る。
初級は川前駅を出て籠場の滝~夏井川キャンプ場~草野心平生家~ハクチョウ飛来地(三島)を回る。
この日は土曜日。そして翌6日は予定が入っている。一日早く隠居へ行ってダウンヒルの一行を応援しようか、なんて考えている。
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