2008年8月12日火曜日

アレッポの石鹸


シリアの「アレッポの石鹸」で洗髪するようになってから、だいぶたつ。それまでは液体シャンプーで髪の毛を洗っていた。毎日洗うほど潔癖ではない。何日かおくと頭皮がかゆくなる。それが洗髪の目安。あまりにかゆくて洗髪前にごしごしやると、ふけがこぼれ落ちる。なんとかかゆみとふけを抑えられないものか。

そんなとき、アレッポのオリーブ石鹸に出合った。オリーブオイルとローレル(月桂樹)オイルのほかは、水と苛性ソーダを加えただけで3昼夜釜たきし、ゆっくり時間をかけて熟成させたものだという。添加剤や合成香料は一切入っていない。これが肌に合ったのだろう。オリーブ石鹸を使いだしたら、かゆみが消えた。ふけも出ない。シャンプーを使っていたときと同じくらいの日数で頭を洗っているのに。

先日、頭を刈ってもらった。シャンプーで洗髪された。次の日にはもう頭がかゆくなった。薄くなったわが頭には工業的に生産されるシャンプーその他が合わないらしい。

8月3日にいわき市暮らしの伝承郷でいわき地域学會主催の「いわき学・じゃんがら体験プロジェクト」が開かれた。ちょうど実習の時間に、小名浜港で港づくりを学ぶ外国の「港湾開発・計画研修員」が伝承郷の見学に訪れた。ついでだから「じゃんがら」を見てもらった。

なかにシリアからやって来た研修員がいる。ハワイアンズで開かれた歓迎会で謝辞に立ち、「草野心平のカエルの詩を学校で学んだ」と言ったそうだ。草野心平記念文学館の学芸員によれば、心平の詩はアラビア語には翻訳されていない。英語の翻訳詩だったのだろう。

歓迎事業に動員されたカミサンに伝承郷で彼を紹介されたとき、「心平のカエルの詩」と「アレッポの石鹸」でエールを交換した。後日、まだ研修で日本にいる彼にカミサンが草野心平の本を送ったら、シリア観光省のパンフレット=写真=と、たどたどしい日本語で「もてなしをありがとう あなた(むろんカミサン)のことを忘れません」という直筆の便箋が届いた。

シリアは地中海の東端にある。その古い港湾都市が彼のまち、ラタキヤ。アレッポはそこから北東の内陸部にある。首都のダマスカス、アレッポ、ラタキヤに国際空港があるというから、アレッポもラタキヤも、シリアでは「三都物語」になるくらいの中核都市なのだろう。

「アレッポの石鹸」と「カエルの詩」が全く知らなかった「魅惑のシリア」へ誘う。パンフレットを見れば、確かに魅力的な国ではある。

さて、再び「アレッポの石鹸」である。この石鹸は使ったあとの潤い感がいい。実際、汚れを落としつつも脂肪酸を補うので、洗い上がりの肌になめらかな潤いを残すそうだ。体験者の一人として、ふけ症・禿頭のご仁は一度お試しあれ、と言いたい。

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