2009年7月21日火曜日

「茅の輪くぐり」復活


いわき市平中神谷に規模の大きな神社が二つある。1,200年余の歴史を誇る立鉾鹿島神社と、2年前に800年祭を行った出羽神社だ。

出羽神社できのう(7月20日)午後3時から、「夏越大祓」が行われた。いわゆる「茅(ち)の輪くぐり」だ。数日前の朝の散歩時、犬を連れた氏子氏から「茅の輪くぐり」神事があることを教えられた。材料のチガヤは夏井川の下流から調達するのだという。地元に住む人間としてここはひとつ、神事を写真に収めねばと散歩を兼ねて出かけた。

聞けば、しばらく中断していたのを復活した。拝殿の前に直径2メートルほどの「茅の輪」が立てられ、「茅の輪のくぐり方」を図示した看板が添えられていた。

「茅の輪」を左、右、左の順で3回くぐりながら、〈水無月(みなづき)の 夏越(なごし)の祓(はらい)する人は 千年(ちとせ)の命 延(の)ぶというなり〉と唱えてください――そんなことが書いてあった。

神官を先頭に氏子の家族などが「茅の輪」をくぐる。拝殿前はたちまち人でいっぱいになる=写真。私も最後の最後に「茅の輪」をくぐり、お賽銭を投じて家内安全を祈った。神事の前、氏子氏らの案内で社務所に行って受け付けを済ませ、先着30人がもらえるプレゼントも手にした。お札と「撒下品」の〈羽黒生姜〉が入っていた。

「茅の輪くぐり」に合わせて和歌・俳句・川柳を募集したらしく、神事の前に「第一回羽黒露沾会展」の表彰式が行われた。入選作品のうち、優秀句「稚児の舞い習いに通う夏休み」、佳作「給付金持って行くかと夏祭」は知人の作品だった。

露沾は江戸時代前半、磐城平藩を治めた内藤ファミリーの一員で、俳諧で一家をなした。芭蕉のパトロンでもあった。境内に露沾の和歌〈羽黒山 御影も清き みそぎこそ 茅の輪をこゆる 代々の川波〉と俳諧〈清祓 千代をむすばん 駒清水〉を刻した碑がある。これにちなむ羽黒露沾会展ということだろう。毎年開催するという。

さて、もう一方の立鉾鹿島神社は、土曜日(7月25日)に夏まつりが開かれる。チラシで知った。「茅の輪くぐり」神事のほか、「えんにち広場」が行われる。子どもたちには夏休みのいい思い出になることだろう。

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