2009年7月28日火曜日

おう なつだぜ


おう なつだぜ/おれは げんきだぜ/あまり ちかよるな/おれの こころも かまも/どきどきするほど/ひかってるぜ/おう あついぜ/おれは がんばるぜ/もえる ひをあびて/かまを ふりかざす すがた/わくわくするほど/きまってるぜ

「かまきりりゅうじ」の〈おれはかまきり〉というタイトルの詩だ。「のはらみんな」の代理人くどうなおこ(工藤直子)さんが「のはらみんな」のおしゃべりと歌を書きとめたら、何冊も詩集になった。「かまきりりゅうじ」の詩はそのなかのひとつ。

「かまきりりゅうじ」に会いたくて、いわき市立草野心平記念文学館へ行って来た。9月27日まで「くどうなおこの『のはらうた』展」が開かれている。画家ほてはまたかし(保手浜孝)さんが「のはらうた」を版画にした。その作品50点が展示されている。動物・植物・昆虫・空・雲・風……。「のはらみんな」の詩をユーモラスで温かな版画に仕上げた。

「にゅうどうぐもしんた」に〈そらのうんどうかい〉という詩がある。文学館へ向かう山道の上空に、サルとひげを生やしたじいさんの横顔にそっくりの入道雲(私にはそう見える)が待ち受けていた=写真。このサルの雲も、じいさんの雲も「にゅうどうぐもしんた」の兄弟には違いない。

現実にそうした入道雲の出迎えを受けると、〈きょうは「のはらうた」日和だな〉とうれしくなる。「のはらみんな」の詩がより身近なものに感じられる。

長く、まど・みちおさんの詩を読まずにきた。それと同じで、工藤直子さんの詩も最近、やっと読み始めた。自然と人間の交流を、詩を通して表現するとこうなる――そこに新しさを感じた。まだまだ多様な試みが展開されていい分野だと思った。月並みな言い方だが、自然は無限に人間にインスピレーションを与えてくれる。

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