2011年7月7日木曜日

表土はぎ


きのう(7月6日)早朝、夏井川渓谷の無量庵で菜園の表土はぎをした。5時半にわが家を出ようとすると、カミサンが珍しく早起きしてきて、「私も行く」となった。

10日ほど前、三春ネギの種子がネギ坊主からのぞきだしたので、ネギ坊主をあらかた回収した。わが家の縁側で陰干しをし、ネギ坊主から種子をふるい落としたあと、金網ボールに入れて水に浸し、砂とごみ、浮いた未熟な種子を取り除いて、一晩外に干した。翌朝にはすっかり種子が乾いている。それを小瓶に詰めて冷蔵庫にしまった。

ネギは、葉よりネギ坊主に放射性物質が残留しやすいという。種子を採ったあとのネギ坊主の残がいはごみ袋に入れた。水に浸して流れ出たごみと未熟な種子もごみ袋に詰めた。種子は流水でよく撹拌しながら洗った。われわれには、とにかく水で洗い流すしか方法がない。下流の人たちには、だから「ごめんなさい」というほかないのだが。

種子の回収・洗浄・保存が、おととい、完了した。次は表土はぎだ――となって、きのう朝、表土はぎを敢行した。朝めし前にはわが家に戻る。そんな段取りで。

早朝6時、無量庵に着く。太陽はすでに高く昇っている。畑でスコップを使い始めると、たちまち汗がふきだす。予定より30分オーバーして、7時半前、スペースにしてやっと4畳半分くらいの表土はぎを終えた。カミサンはこの間、無量庵のなかを掃除し、冬ものを片づけた。部屋はすっかり夏座敷に衣替えした。

採種用に残しておいた三春ネギを引っこぬき(ネギ坊主はカットしたからない)、スコップで薄く土をはいでは一輪車に放り込む=写真

表土の保管場所は畑のそばのヤブ。そこだと、だれも足を踏み入れない。夜陰に乗じて河原に捨てるようなまねはしたくない。敷地内から出た“困りもの”は敷地内で始末するしかないのだ、ということを教わったばかりだ。

でも、スコップをグサッと入れ始めたら、たちまち胸の中でつぶやきが始まった。<ここは、はじめササヤブだった、それを開墾して石を取り、山砂を入れ、堆肥を入れて、生ごみを埋め、そうやって十年以上、土の様子を観察しながら野菜を育ててきた。コンチクショウ、コンチクショウ。もったいない、もったいない>

表土のはぎとりをしなければならないところが残っている。日曜日にでも、朝飯前に出かけるか。これはしかし、東電の、国の「犯罪」を代行しているだけではないか――そう思うと、ますます「コンンチクショウ」と「もったいない」になるのだった。

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