2011年7月19日火曜日
「小原庄助さん」をする
震災復興支援のため、いわきに駐在しているシャプラニール(NGO)のスタッフの一人が日曜日(7月17日)に休みをとった。前夜、わが家に来て「あした、夏井川渓谷の無量庵へ行きますか」というので、「(そうか、行きたいのだ)行くよ」。一緒に行くことにする。酒を飲みながら軽く打ち合わせをした。
運転手は彼、出発は早朝5時。私は彼の車のナビ役。カミサンは途中、コンビニに寄って食料を調達する係。
しばらく平野部を走ったあと、急坂を上って夏井川渓谷に入る。道端に点々と生えるヤマユリは、予想通り咲きだしていた。アカメガシワが花をつけていた。対岸の谷間に咲いているのはヤマアジサイだろうか。
6時前には無量庵=写真=に着いた。無量庵のある牛小川は、鬱蒼の森のなかにぽっかり開けた小空間。週末だけ現れる私を除けば、7世帯ほどが寄り添うようにして暮らす。近所をぶらつくと、線路向こうの家のおばさんと、ふだんは町に住む息子さんが斜面の畑でジャガイモ掘りをしていた。
じっとしているだけでも汗がにじむ。まずは「朝風呂」に入る。ふだんは晩酌優先、風呂は二の次で、翌朝、ひげそりを兼ねて風呂に入るのが習慣になった。「朝風呂」はだから、いつもの通りのこと。
次は朝食。コンビニで缶ビールも買った。自分の車で来たときにはアルコールなしだが、めったにないチャンス。缶ビールで「朝酒」をやる。
対岸へは水力発電所へのつり橋を渡っていく。ネパールでの駐在経験があるスタッフは鬱蒼の森を巡ってくるという。その間、こちらは「朝寝」を決め込む。こう暑くては寝ているしか能がない。
「小原庄助さん」は朝寝・朝酒・朝湯が大好きで身上(しんしょう)をつぶした。私はつぶす身上がないから、一日くらいは「小原庄助さん」をしても大丈夫。ハンドルキーパー(朝からそんなことを言うのもおかしいが)の彼のおかげでめったにない経験をすることができた。
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