2011年7月21日木曜日
ネコと地震
「3・11」の本震以来、余震は何回になるのだろう。何百回? いや、千回を超えた? 今も毎日、揺れている。トイレや風呂に入っているとき、眠っているとき、食事をしているとき、車に乗り込んだとき……。
震源が太平洋沖の場合は、(本震がそうだったが)わりと長く揺れる。ほんの数秒のときでも、静かに始まってグラッとくる。内陸の場合は、不意に地の底からドンドンドンと突き上げるようにやってくる。
同じ揺れでも、一発で終わるのがある。地震? いや違う。家の前の道路を車が通る。ときにドスンと音を出して地面が揺れる。「3・11以来、そうなった」とカミサンが言う。アスファルトの下に亀裂か空洞でもできたのだろうか。そのうち家ごと傾くなんてことはないだろうが、気になる振動だ。
あるところでネコの話になった。「3・11」のとき、部屋で丸まっていたネコのそばに棚から鉢が落ちてきた。以来、ちょっと大きな地震が来ると、ネコは外へ飛び出してしばらく戻ってこない。「セロ弾きのゴーシュ」に登場するネコを思い出す。ペットだって地震は怖いのだ。
そのネコに比べたら、わが家にいる3匹のうち、ターキッシュアンゴラの雑種らしい雌ネコ「サクラ」は落ち着いたものだ。火がついたように走り回るようなことはしない。鳴くわけでもない。じっとしている。少し大きな揺れがくると、なぜか天井を見上げる=写真。決まってそういうしぐさをする。
毛皮をまとったネコたちはこのところ、猛暑にげんなりしている。「サクラ」は日中、この木製品の上にいるか、玄関のコンクリートのたたきに身を投げ出しているかしている。地震がくる。無言で天井を見上げる。また、寝る。
地震か、車による揺れか。人間は判断がつかずにしょっちゅうヒヤリとする。振動には過敏になっている。しかし、ネコはどうだ。逃げるネコと逃げないネコと。地震の受け止め方はネコそれぞれ。いや、「サクラ」はネコの自覚がないのかもしれない。
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