2011年7月17日日曜日
生きものたち
連日の真夏日。毛皮をまとったネコは朝から涼しいところを探して体を横たえる。日本は夏、マニラ並みの“熱帯”になる。ネコと同じように、昼は休んで暑さをやり過ごし、少し熱気のおさまった夜に働く、というのがほんとうはいいのだろう。
この夏に遭遇した生きものたちの話を少し――。
酷暑にはほど遠い、梅雨入り前の6月下旬。夕方4時前にはまだ散歩に出かける余裕があった。今はとてもじゃないが、その時間帯に外を歩くような無謀なことはしない。住宅街の細道はそれぞれ、ブロック塀などで道と庭とが仕切られている。草木園とでも呼ぶべき広い庭がある。低いブロック塀の上に金網が張られてある。
そのブロック塀に沿ってチョロチョロ動く生きものがいた。生きものはすぐブロック塀を駆け上がり、塀の上でハーハーしている。カナチョロだった。住宅街とはいえ、少し草木の茂るスペースがあればカナチョロくらいはすみつく。ナメクジ、ダンゴムシ、クモ……。庭はえさの宝庫だ。わが家の庭にもたぶんいるだろう。
夜、茶の間の電灯のひもに若いオニグモがとりついた=写真。ひもと笠の縁を利用してクモの巣を張るつもりなのだろう。わが家は昼も、夜も戸を開けたまま。夜は、庭から虫が飛んで火ならぬ灯に入る。それを待って狩るのだ。オニグモは、朝には巣をたたむ。
夏井川渓谷ではもっと大きな生きものに出合った。「ピックイー、ピックイー」。無量庵のすぐ上空をサシバが旋回していた。やっと写真に収めることができた。
耳鳴りのような「ジージー」はニイニイゼミの鳴き声。無量庵の庭で聞き、平地の中神谷の通りでも聞いた。やがてヒグラシが鳴きだす。夏井川渓谷ではヤマユリの花が強烈なかおりをまき散らしているかもしれない。きょう(7月18日)は日曜日。それをこれから確かめに行く。
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