2011年7月11日月曜日
真夏日の地震
今年のいわき地方はカラ梅雨気味。わが家の温度計では真夏日続きだ。が、いわきの公式気温は相変わらず、旧小名浜測候所の観測データによる。観測の連続性から言って当然だろうが、昔から違和感があった。
「ヤマ・マチ・ハマ」とあるいわきのうち、「ヤマ・マチ」は「真夏日」なのに、それが大部分を占めているのに、「ハマ」の「夏日」がいわきの気温になってしまっている。いわきの場合は「ハマ」のほかにもう1カ所、内陸部の「マチ」の公式データが必要だ――という思いを、この数日、またまた抱いている。
きのう(7月10日)、早朝5時に夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。先日、庭の草を刈ってもらった。朝めし前に刈り草を片づけようというわけだ。
この日も朝から快晴だ。6時半前には庭をきれいにした。汗を洗い流すために風呂に入り、朝食をとり、朝寝をした。9時過ぎに無量庵の前を通過する2番列車の音で目が覚めた。部屋の寒暖計をみると、もう30度を超えている。部屋に吹き込んでくる風にも涼・熱がある。川風は涼しげでいいが、野風は熱気をはらんでいる。それが入り乱れてやってくる。
どこかもっと涼めるところはないものか。庭のシダレザクラの下に大きな影ができている。樹下へ「ゆりいす」を持ち出して本を読んでみることにした=写真。
家から緑陰の庭に居場所が変わっただけで、風の中身は変わらない。涼しい川風がさっと来たかと思うと、道路の方から熱風が吹いてくる。足元からも熱気がたちのぼってくる。草いきれがときどき鼻をつく。
そこでしばらく本を読んでいたら、山がゴゴゴゴゴゴと小さな音を出して揺れ始めた。体には感じない。が、地震であることはわかる。そのうちだんだん地の底を打つようなドドドドドドという大きな音に代わった。無量庵を振り返ると、全体が小さく振動している。朝寝を決めていたカミサンが廊下に出てきた。びっくりして目を覚ましたのだ。
3月9日にやはり無量庵で、ガラス戸がカタカタ揺れ始めたかと思うと、やがてドンドンドンと大きく横に揺れる地震に見舞われた。時間の長い地震だった。「3・11」の前兆だった。
その連想がはたらいたようだ。きょう7月11日で4カ月目。1カ月目の4月11日と、翌12日にいわき地方は直下型地震に襲われた(ともに震度6弱)。その前の4月7日深夜には、宮城県沖を震源とする最大震度6強の地震が起きた。2カ月目、3カ月目は無事に過ぎたが、4カ月目は……。
日曜日。街の時間ではなく、山里の時間にひたって気分を転換しよう、つかの間の安息に身をゆだねよう、とした瞬間の地響き。放射線と地震にもまれながら日常を営むためには、心臓が一つでは足りない。二つか三つは欲しい。
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