2008年6月9日月曜日

ミズダコを買う


土曜朝市で小さなミズダコを買った=写真。2はい300円。ゆでて食べる。刺し身もうまいという。「塩でもんでヌメリを取ればいい」といわれても、塩加減が分からない。「海の水より薄く」。それが目安だそうだ。

早速、わが家へ戻って塩でもむ。水でごしごし洗ったあと、包丁で脚をばらし、頭の皮を裏返しにして内臓を取り除く。水ですすいできれいにしたあと、ぶつ切りにした。

冷凍庫に入れて急冷したのを取り出し、わさびをちょこんとのせてしょうゆにつけ、あつあつのご飯と一緒に食べた。軟らかくてこしがあって、ほんのり甘みまである。カミサンも手を出したが、コリコリネチネチがこたえたのか、一切れで箸を止めた。

夜になって、タコはゆでる必要があるのを思い出した。行きつけの魚屋さんが刺し身にするタコはゆでたものではなかったか。朝も、昼も、夜も、生のタコ。あきた、歯茎が痛くなった――その瞬間に、魚屋さんの包丁さばきがよみがえったのだった。すぐ残りをゆでる。生よりかえって軟らかいくらい、簡単に口のなかで身がほぐれる。

別の日に、行きつけの魚屋さんに聞いてみた。ヌメリを取るのは食中毒予防だという。ゾッとした。うろこのない魚は、細菌から身を守るためにヌメリを出す。ヌメリを取るのは雑菌除去対策だった。

プロでもヌメリ除去には気を遣う。ヌメリのあるイカは皮をはぐから、生でも大丈夫。ただし、脚は危ないから刺し身にはしない。そんなことを知らずに、適当な塩もみだけで生タコを口にした。「よく腹をこわさなかったものだ」と魚屋さん。

とにかく、ヌメリがなくなってコキコキするまで塩もみをすることが肝心。素人の生兵法はけがのもと、を実感した。

で、急にタコが朝市に出回るようになったのは、燃料高騰で漁船が「タコ引き」に切り替えたためだという。タコは重量がある。普通の魚よりはカネになる。原油高が巡り巡って私たちの食べる魚にも変化をもたらしている。

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