2008年6月28日土曜日

「三春ネギ」苗を食べる


夏井川渓谷(いわき市小川町上小川字牛小川)の小集落にわが菜園がある。

去年の秋、苗床をつくって「三春ネギ」の種をまき、越冬して生長したのを5月に「定植」した。虫に食害されたものもあるが、まずは順調に育っている。

丈が伸びて大人の手の小指大ほどに肥大したものが2、3本あったので、サヤエンドウを収穫するついでに引っこ抜いた=写真。バレイショとネギの味噌汁――これが、私のなかではシンプルにして究極のネギ料理だ。その味噌汁が食べたくなったのだ。

バレイショは形が崩れる寸前までよく似る。そこへ味噌をとかし、刻んだネギを加えて加熱する。ネギの甘みと軟らかさがバレイショのホクッとした食感と交じり合って舌を喜ばせる。と、なるはずだったが――。

葉先はやわらかいが、根元の方は硬い。甘みも足りない。なぜだろう。「今の時期のネギは硬くて苦いのよ」とカミサンは言うが、同意できない。理由を推測する。

溝を切って植えたばかりだから、葉鞘はまだむきだしだ。じかに太陽光線に当たるので、軟白部が形成されずにあおいまま。だから硬い? 甘みを増すのは秋以降。8月に曲がりネギにするために「やとい」(伏せ植え)をする。そのストレスと冬の寒さが甘みを増すのだが、それがないから甘みが足りない?

もっと違う理由があるかもしれない。何年も同じネギから種を採っているので、質の劣化が起こったか。としたら、種を切り替えなくてはならない。

「春のいわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」最終日の6月8日に、渓谷で環境美化活動が行われた折、「三春ネギ」伝授者のSさんに、「ネギボンコ」が余っていれば欲しい旨話したら、種をくれることになったので、それを手に入れれば品質劣化の問題は解決する。

いずれにしても、生育優先時期には食べるのを我慢する。食い意地を張ってはいけない。それが分かっただけでもいい勉強になった。

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