2008年6月16日月曜日

「父の日」のプレゼント


一つ、二つと「つ」のつく子供のころといえば、半世紀も前のことだ。「母の日」も「父の日」も知らなかった。少し、いやもっと大きくなって、そういう日があることを知っても、なにもしないできた。第一、カネがない。そういう独身男が父親になるのだから、息子どもがなにもしないのはよく分かる。

上の子が結婚して初めて、「父の日」にプレゼントが届いた。その瞬間は「オレが主役」になった気分だった。「母の日」に下の子から花が届いたことがあるが、そのときもやはり「ワタシが主役」だっただろう。

これとは別に、いつからか「タカじい」の名付け親から「母の日」と「父の日」にプレゼントが届くようになった。そういうふうに気にかけてくれる人間がいるのはうれしいものだ。

さて、息子が父親になると物のプレゼントは卒業した(らしい)。

「父の日」の早朝、夫婦で夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。なにやかやと雑用をしていたら、息子が孫を連れてやって来た。それからしばらく「孫といる時間」が続いた=写真。部屋で、草を刈ったばかりの庭で、菜園で。歩く、歩く。ジジかババがかがんで一緒に歩く。片時も目が離せない。4時間ほどいて帰ったが、孫の運動量についていくのがやっと、昼寝をしてくれて助かった――が実感だった。

というわけで、今年の「父の日」のプレゼントは「孫といる時間」だった。

夕方、「焼酎とカツオの刺し身を買いに行かなくては」などと相談しながら帰宅する。と、それを見ていたように、「タカじい」の名付け親からプレゼントが届いた。「夫婦水入らず」という名の酒と焼酎が入っている。「よかったね、買うのがカツオだけになって」。グッドタイミングとはこういうことを言うのだろう。

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