2025年11月17日月曜日

小春日

11月16日の日曜日は、朝からいい天気になった。小春日である。

きょうは紅葉目当てのマイカー客が押し寄せるはず――そう踏んで、夏井川渓谷の隠居へは早めに出かけた。

8時には着いた。外気温は5度。菜園の土はまだやわらかい。スコップを入れても問題はない。が、冷気が体を包む。マスクをして鼻水が垂れるのを隠した。

菜園に生ごみを埋め、庭を一巡りして隠居に戻る。と、茶の間が冬座敷に変わっていた。すぐこたつに足を突っ込む。しばらくは手も入れたままにしておく。

谷間のカエデは紅葉のピークを迎えた。しかし、対岸は全山紅葉の時期を過ぎて、白骨のような幹と枝が目立つ。

 渓谷のど真ん中、錦展望台には朝から人が訪れていた。時間がたつごとに道路から人語が響き、マイカーが駐車場を埋めるようになった=写真。この秋一番のにぎわいだ。

 ほとんどがスマホをかざしてカエデの紅葉を撮っている。展望台から地続きの、岸辺に沿った東北電力の開放スペースにも行楽客が行き来している。

 午前10時ごろになると、錦展望台には野菜の直売所が二つ並んだ。売るのは小野町のNさんと、今年新たに加わった川前のHさんだ。

Nさんの直売所で買い物をするようになってからだいぶたつ。紅葉シーズンになると、週末だけ江田駅前に直売所を設ける。とろろ芋やゴボウが並ぶ。私は「曲がりネギ」を買う。何年か前から、錦展望台でも直売するようになった。

Hさんとはこの秋に知り合った。最初は、わが隠居の庭を直売所として借りられないか、ということでやって来た。

OKしたものの、その後、錦展望台を借りられるようになって、そちらで直売所を開くことにした。

 直売所が二つあることで相乗効果が出たのか、行楽客は錦展望台に来ると対岸を仰ぎ、次いで直売所をのぞく。隠居から見ていても応対に忙しそうだった。

 Hさんとは、対岸の木々があらかた葉を落とした話になった。カエデは紅葉の真っ盛りだが、それ以外、ツツジやヤマザクラなどで全山が錦繡(きんしゅう)に彩られるときにこそ来てほしいのに、という。

その通り。紅葉には非カエデの紅葉もある。その錦繡から始まって、やがてカエデの紅葉を迎えて冬になる。

テレビの「紅葉情報」がカエデだけになっているのは現実を反映していない、と私も思う。

「放送するならカエデの葉のマークではなく、ヤマザクラの葉のマークで始まり、やがてカエデの葉のマークに切り替える。そのくらいのきめ細かさがないと」という話になった。

 Hさんの直売所からは白菜と大根、トマトを買い、Nさんの直売所からは「むかご」を買った。

    曲がりネギは? 大量に全部買っていった人がいて、売り切れたとNさん。私もそうだが、常連さんが何人かいるようだ。 

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