晩酌をやりながらテレビを見る。ふだんは地デジのニュース番組だが、たまにBSテレ東の「プレイバック日本歌手協会歌謡祭」にチャンネルを合わせる。
月曜日から金曜日までの宵の6時台、懐かしい歌謡曲が流れる。11月6日の木曜日はアメリカ特集だった。
「ルイジアナ・ママ」の飯田久彦、「テネシー・ワルツ」のペギー葉山は子どものころから知っている。
「桑港(サンフランシスコ)のチャイナ街(タウン)」の渡辺はま子は、歌はラジオで聞いてはいたが、どんな人かはわからなかった。
大人になって、昔はやった歌を本人がテレビで歌っているのを見て、「若いころはさぞかし……」と思った記憶がある。
「おかあさんといっしょ」の「うたのおにいさん」田中星児は、ジョン・デンバーの大ヒット曲「カントリー・ロード」を歌った。といっても、歌詞は日本バージョンだ。
作詞家岡田冨美子が意訳した。いや、創作したといってもいいだろう。歌いだしの「カントリー・ロード
テイク・ミー・ホーム」は同じでも、続く言葉が歌謡曲調だ。
歌詞を三つのパートに分けると、最初は「ふるさとへ帰ろうよ
生まれた土地がいいよ キャッチボールをした野原 赤とんぼが飛んでいた」。
次が「畑でもたがやそうか あしたの天気
気にする仕事がいいよ」。最後が「おやじは早死にしたけれど おふくろ長生きしてほしい ふるさとのやさしさは 真っ赤な夕焼け 夕焼け」。
それぞれの歌詞のあとに繰り返される言葉がある。「早いものだね
月日の流れにゃだれも勝てない」
二番目の「あしたの天気 気にする仕事がいいよ」には思わず苦笑した。地域の行事の予定日や夏井川渓谷の隠居へ行く日曜日は、前々日あたりから天気が気になる。隠居には菜園がある。土いじりができるかどうかは天気次第だ。
その延長で「定年になったので故郷へ帰って農業をやろう」という歌かと思ったが、そうでもないようだ。
歌詞に「都会のゆめ ネオンサイン 愛した人には見切りつけられた」とあって、都会で挫折した若者の歌だと納得。
とはいえ、繰り返される「月日の流れ」の早さを自覚するのは中年という思いも捨てきれない。
それはともかく、原曲にある「母なる山」は私の場合、田村市常葉町の鎌倉岳(967メートル)=写真。鷲(わし)が今にも羽ばたかんとするような形をした、三つの頂きをもつ岩山だ。
そして、わが「カントリー・ロード」はその南側を通る国号288号。浜通りの双葉町と阿武隈の山を越えて中通りの郡山市を結ぶ。実家はその中間、国道沿いにある。
それともう一つ、大滝根山(1193メートル)。これは「父なる山」といっていい。阿武隈高地の主峰である。
南東斜面からしみ出した水は、夏井川となって浜通り南部、いわき市の新舞子海岸で太平洋へ注ぐ。
その川をほぼ毎日眺めながら暮らしている。「カントリー・ロード」を聞くと、夏井川と、その先にあるふるさとの山と道路が思い浮かぶ。
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