2009年5月5日火曜日

天日干しのふとん


夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵には5~6人分のふとんがある。空中湿度の高い場所なので、ふだんから押し入れに除湿箱を入れている。人が泊まりに来る予定があると、天日干しをする=写真。除湿箱だけではカビ臭いにおいが取れないのだ。

憲法記念日の5月3日、同級生6人と泊まり込んで酒を飲んだ。昨年秋、夏井川渓谷の旅館で同級会を開いた際、「今度は海の魚を食べたい」という男がいた。初ガツオがいわきの港に揚がるこの時期、それを食べようと仲間の1人が声をかけた。

というより、いわき市平の飲み屋街・田町で千葉から来た仲間と飲んでいるときに、よく集まる仲間に電話したら、全員がOKとなったのだった。いわきにいるのは2人。ほかは郡山市、宮城、千葉、滋賀からやって来た。

夜、家族が迎えに来たいわきの1人を除いて5人が泊まった。ごちそうはもちろんカツオの刺し身、海の魚を主体にした折詰も用意した。飲んだこともない銘柄のビールと紹興酒、甕に入った焼酎などは仲間が持って来た。

でも、ほんとうのごちそうは何かと言ったら、目に優しい夏井川渓谷の若葉、緑のグラデーション。そして、天日に干してふかふかしたふとんだったと思う。それぞれが好きな場所にふとんを敷いて寝た。自分のいびきに目が覚めてしまうために耳栓までするという男は、耳栓はしなかったが廊下に寝た。

わが家に帰るとカミサンが言った。「ちゃんと敷布を出したんでしょうね」「??」。昼間、夫婦でふとんを天日に干したあと、カミサンが「ここに敷布があるから」と指さしたところまではよかったのだが、飲んだらすっかり忘れてしまった。かえって直接、天日干しの感触を味わえたのではないか――そう思うことにして失敗を棚に上げた。

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