2009年5月16日土曜日

ミツバチとネギ坊主


ネギ坊主が大きくなった。自家採種をしない菜園では、ネギ坊主ができる前に花茎と葉を刈り取る。花茎は硬い。食べるには適さない。それで、菜園によっては片隅にネギ坊主が打ち捨てられている。そうして、軟らかな葉が再生するのを待つのだ。

夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵にあるわが菜園でも、「三春ネギ」が大きなネギ坊主をつけた。薄皮がはがれ、小さな花が咲いて、虫たちがひっきりなしに訪れている。なかにニホンミツバチとおぼしき小さなハチがいた=写真。

隣家(といっても40メートルくらいは離れているだろうか)の庭先にミツバチの巣箱がある。そこを「蜂蜜工場」にしている働きバチか。それとも、野生のニホンミツバチか。

渓谷からずっと下った平野部のいわき市平・塩。ここでも知人がニホンミツバチを飼っている。分封の時期に入った。いわき市の山間部に住む人がその一群をもらっていった。ところが、4月下旬だというのに急に冷え込んで雪(平野部では雨)まで降った日、ハチたちが全滅したという。なんとも哀れな話だ。

花に誘われるのはミツバチだけではない。ハナアブ、シジミチョウ、カナブン、その他の虫たちの力を借りて受粉が行われ、花が咲き終わると、ネギ坊主は小首をかしげるようになる。花茎が脱力するのだ。子孫を残すために硬くまっすぐ立ったのだから、あとはしおれるだけ。

その兆候が見られるようになると花茎から切り離し、乾かして黒く小さい種子を採る。種子は小瓶に入れて、秋まで冷蔵庫の中で眠らせる。今年はその作業が早まりそうだ。

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