2009年1月5日月曜日

「深酒は良くありません」


イタリアで「磐城蘭土紀行」を見ているカミサンの同級生から、新年を祝う手紙が届いた。そもそもこのブログを始めたのは、前に紙媒体で連載していた「アカヤシオの谷から」がインターネットで読めなくなって寂しい――という手紙を、イタリアからもらったのがきっかけだった。

今年初めて、パソコンで年賀状をつくった。さあ、準備OK――それがいけなかったか。年末に風邪を引いた。それでも、夜になると酒でのどを消毒したくなる。

不思議とキノコ同好会の集まりとか、家に人が来るときには症状が後退する。それでまた飲む。いっこうに風邪が治らない。のどの痛みが治まったと思ったら、今度は鼻水だ。やっときのう(1月4日)、症状がおさまった。

年が改まって最初の日曜日。朝早く夏井川渓谷の無量庵へ出かけ、午後は夏井川の上流、小野町へラーメンを食べに行った。葉を落とした渓谷の尾根筋が、ヒラメの縁側のようになっている=写真。その風景がなぜか好きだ。

ラーメンを食べたあと、町内の和菓子屋へ寄った。わが実家の隣から嫁いだ同級生が切り盛りしている。去年、カミサンが買い物をした。車の中から店内をのぞいて「もしかして」と思いながらも、そのままにした。あとで実家の兄に聞いたら、同級生だった。

カミサンと顔を出した。先客がいた。こちらの顔を見た瞬間、「えっ、えっ」と驚いた表情を見せ、先客が帰ってからようやく同級生の顔になった。

カミサンを交えてしばらく話した。ほかの同級生の消息も知った。去年2月に開かれた還暦同級会には、別の寄り合いがあって彼女は欠席した。5年前の同級会はこちらが欠席した。会うのは10年ぶりか。

誰もが笑顔の裏側に悲しみを宿して生きている――還暦同級会のときもそうだったが、今度もそう感じた。

そんな晩には、やはり酒を飲まずにはいられない。イタリアからの手紙には「深酒は良くありません」とあった。ふだんは「浅酒」だから大丈夫です――そう書いてやろう。

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