2009年6月2日火曜日

イタチハギのj黒い花穂


ヤナギ、ニセアカシア(ハリエンジュ)を主体に、少々のオニグルミとアカメガシワ。私が朝晩散歩する夏井川の河川敷の樹木だ。ほとんどが岸辺に集中している。

なかに、黒っぽい円錐形の花を付け始めた低木がある。イタチハギ(クロバナエンジュ)だ。人間の頭でいえば、髪の毛をまとめて突っ立てたパンクヘア。全体は暗紫色だが、それを構成する小花柄の先っちょは黄色い。

葉だけをまとっていたときには、ニセアカシアと同じマメ科の木、ハギかと思ったが、パンクな花を見て俄然、興味がわいた。ハギの花とは似ても似つかない。黒っぽい花序が目につくようになって、河川敷のあちこちに生えていることも分かった。

下流の河川敷だけではない。上流の夏井川渓谷でも咲いていた=写真。数年前、道路沿いのガケで防災工事が行われた。表面の凹凸に合わせて鉄筋コンクリート枠を設けたあと、緑化のための種子吹きつけ工事が施された。その種子の一種がイタチハギだった。

北アメリカ原産の落葉低木。種子が安く手に入る、早く発芽する、というのが今も使用されている理由だろう。土木工学的にはそれでいいかもしれないが、生態学的には問題がある。県立自然公園内にわざわざ外来種を持ち込み、その地域の生態系を撹乱するとはなにごとか――そんな批判は出なかったのか。

砂防用や護岸用にイタチハギの種子が使用されてきた結果、下流の岸辺にもイタチハギが広がった。土木行政が広範囲にわたって環境破壊を行っている、という思いを抑えきれない。種子吹きつけ工事には、金がかかってもその土地の植物を利用すべきだろう。

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