2012年1月10日火曜日
アクサイ?
師走に漬けた白菜が底をついた。同じく師走の上旬、夏井川渓谷の江田駅近くで紅葉の時期だけ直売所を開く、小野町の農家Nさんから買った曲がりネギもなくなった。
ネギと白菜漬け(切り漬け、糠漬けもそうだが)は私の担当と自分で決めているので、郡山の阿久津曲がりネギを売っているスーパーへ出かけた。ほんとうは山あいの直売所まで足を延ばしたいのだが、ガソリンがもったいない。アイスバーンの心配もある。曲がりネギを3束、小川産の白菜中玉4個を買った=写真。
写真のマイバッグはバングラデシュ特産のジュート(黄麻)でできている。バングラデシュで支援活動を展開しているシャプラニールのフェアトレード商品だ。レジかごにすっぽり入るので、レジ係に渡せば買ったものをそのまま持ち帰ることができる。折り畳み式で車に置いておいても邪魔にならない。使い始めて何年になるだろうか。とにかく頑丈だ。
スーパーで用を済ませたあとはいわき駅前のラトブに寄る。総合図書館で本をあさり、被災者のための交流スペース「ぶらっと」(2階)に顔を出した。「ぶらっと」はシャプラニールが開設・運営している。
大熊町からいわきに避難している「ぶらっと」常連の女性Nさんがいた。手先の器用な人で、指だけで編み物ができる。「ぶらっと」の男性スタッフにチラシを利用したかごづくりを伝授していた。楊枝をはさんでチラシを丸め、ストロー状にしたものが、籐かごでいう“つる”になり、細い針金を入れたものが縦芯になる、ということらしい。
Nさんは借り上げ住宅に独りで住んでいる。家にいてもつまらないから、毎日、「ぶらっと」に顔を出すのだという。手先が器用なだけではない。自分でごく少部数の個人情報紙も出している。文章を書くのも好きなようだ。(情報紙の文章がすべてNさんの1次情報だとしたら)多少毒のある替え歌だってつくる。
「奥さんは?」というから、「風邪でダウンした。きょうは買い物をしてきたところ。ハクサイを……」と言ったとたんに、Nさんが反応した。「アクサイ?」「そう、アクサイ。八つに裂いて、干して漬けるとうまいんだ、アクサイが」。こんなバカ話をするだけでも、見えない放射能を忘れて少し気持ちがほぐれる。笑いが広がる。
断っておくが、ハクサイがアクサイに聞こえただけのことで、悪妻について話したわけではない。「妻」が「毒」に見える日があるのと同じだ。ときには悪とか毒とかが心にはいいクスリになる。
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1 件のコメント:
いつも元気な奥様が風邪とは・・・
アクサイと毒には笑っちゃいました^^
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