2008年11月12日水曜日

「草野の森」がきれいに


国道6号常磐バイパスの終点、平・神谷(かべや)ランプ(本線車道への斜道)はちょっとした公園になっている。斜道に沿って照葉樹の「草野の森」が広がり、広場の中央に「未来の風」と題した乙女のブロンズ像が立っている。

朝晩、散歩の途中に立ち寄る。風邪気味だったので金・土・日と散歩を休んだ。月曜日(11月10日)の朝、「草野の森」へ足を運ぶと、きれいに草が刈られてあった=写真。斜道のり面も、広場も、森の中も、ごみひとつ落ちていない。セイタカアワダチソウやオオマツヨイグサがうそのように消えていた。すがすがしい気分になった。

ブロンズ像の周りにはツツジが植わってある。セイタカアワダチソウに占領されていたのが、除草されて、鮮やかな紅葉を見せている。ブロンズ像との組み合わせがいい。

午後、カミサンを車に乗せ、バイパスを利用して植田へ行った。「草野の森」を巻くようにバイパスへ入ると、カミサンが声を上げた。「きれいになったこと!」 。斜道にポイ捨てされていた空き缶も、ペットボトルも見当たらない。

バイパス終点は一般に「草野」と呼ばれる地区だ。それで「草野の森」と名付けられた。地元に「草野の森を守る会」がある。草野公民館の事業内容を見ていたら、5月と11月にそこで除草作業が行わる。合点がいった。おそらく土曜日(8日)の朝、中学生らも参加して守る会の除草作業が行われたのだ。

「草野の森」は平成12(2000)年3月、バイパスの全線約28キロが暫定供用になったのを記念してつくられた。宮脇昭横浜国立大名誉教授の指導で、地元の小学生らが参加し、いわきの平地の潜在植生である照葉樹のポット苗を植えた。「ふるさとの木によるふるさとの森」再生事業だ。

年長の小学生は今年、20歳になったはず。それに比べると、照葉樹の成長は遅い。草刈り作業は、まだまだ若い「草野の森」には欠かせない。森自体が育てばセイタカアワダチソウなどははびこる余地がなくなる。それまでは人間の支えが必要だ。人間も人間の支えが必要だが。

きれいに散髪された「草野の森」をことほぐように、へりに植えられた常緑低木のヤツデが白く小さな花をつけていた。

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