2008年11月2日日曜日

白菜を漬ける


秋が深まるにつれて糠漬けのつかりが遅くなってきた。そろそろ白菜漬けに切り替えなくてはならないようだ。とはいっても、スーパーの白菜は4分の1玉で98円、1玉400円では高くて手が出ない。

平沼ノ内の土曜朝市(11月1日)で聞くと、「売れてしまったので、今、畑へ取りに行ったところ」という。ややしばらく待っていたら、あぜ道を軽トラがやって来た。直線距離にして四、五百メートル先の林の陰に畑があるらしい。

小さな朝市だから売れる数は決まっている。ところが、11月の声を聞いた途端、寒さが厳しく感じられるようになったらしい。「鍋物に」と白菜が売れてなくなった。で、ダンナさんが白菜補充に畑へ軽トラを走らせた、というわけだ。

持ち帰ったのは白菜3玉、キャベツ2玉。まさに取りたて、手に取ると朝露がこぼれた。白菜はスーパーで売っているのよりはやや小ぶりだ。「1玉?うーんと、150円」「よし、3玉全部」

そこへ「100円にして」「いくらなんでも、無理」「ま、いいか。1つちょうだい、時間がないの」と割り込む主婦がいた。支払い済みで手にしていた1玉を譲る。ダンナさんがすまなさそうに言った、「5分待ってくれっけ、また行って取って来るから」「いいですよ」

帰宅して1玉を八つ割りにし、縁側で干す=写真。午後には取り込み、桶に漬け込んだ。

桶は逆さにして離れにしまっておいた。逆さにしておけば乾燥してたがが緩んでも、重力の関係で桶をしっかり押さえていられる。水を張って半年ぶりの出番に備える。最初の2時間くらいは下のほうから水がしみ出ていたが、たががしっかりはまっていたおかげで間もなく水漏れが止まった。

うまみには昆布を、風味には朝市で買ったユズの皮と、夏井川渓谷の畑で育てた激辛トウガラシを使った。激辛トウガラシは殺菌用でもある。そもそも白菜の漬物用に栽培したのだが、辛さがハンパではない。底に激辛1本と、1本を刻んでばらけた種を散らした。辛み成分が白菜に乗り移ったら、ちょっと困るが。

毎年のことだが、春に糠漬けを、秋に白菜漬けを始めたときにはほっとする。秋に三春ネギの種まきを終えたときもそうだ。次の半年、1年を無事に過ごすための最初の宿題をすませたような感じだろうか。

何日かして水が上がり、軟らかくなると、この秋最初の白菜漬けが食卓に上る。塩をたっぷりやって糠床を半年間休ませる日でもある。

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