2008年11月17日月曜日

雨の紅葉ウオーキング


いわき市小川町上小川字牛小川地内の夏井川渓谷で昨日(11月16日)、初めての「紅葉ウオーキングフェスタ」が開かれた。私が週末を過ごす無量庵の隣家が解体され、斜面に植えられた杉が伐採されて「広場」になり、昔ながらの美しい景観がよみがえった。土地と建物の所有者が風景の復活を、と解体・伐採を英断した。

上流の川前町では、11月初めに夜のイベント(紅葉ライトアップ)が行われる。それはそれとして、牛小川に復活した景観を生かした何かをと、小川町商工会が「フェスタ」を企画した。

雨・おふかし・ごみ拾い――。まず、この三つからイベントの中身を報告したい。

イベント前日(土曜日)の夕方、商工会のスタッフが最後の下準備を終えた。天気予報は芳しくなかった。「夜はお神酒で天気祭りをしよう」。私も無量庵で一人、天気祭りをした。一夜明けた午前6時、表へ出ると庭は露で湿っているものの、雨が降る気配はない。ラジオも「雨の確率は午前30%、午後40%」と告げる。よし、と思ったのもそこまで。

イベントの参加者の受け付けが始まった9時ごろから、パラパラと降り始めた。渓谷の森を巡る時間帯(午前10時半~午後零時半)も雨に濡れて行進した。イベント終了時間の午後2時まで、降ったりやんだりの繰り返し。晴れて小春日和になるのが最高だが、それは2回以降に取っておく。そう考えれば、雨のフェスタは貴重な体験になった。

ウオーキングは渓谷の対岸、水力発電所の導水路に沿う片道約2.5キロの間で行われた。折り返し地点には大水が上流から運んで来た発砲スチロールやペットボトル、空き缶などのごみが山積している。そこで、80人近い参加者が5分程度、1人1袋だけごみ拾いをした=写真。それだけで70袋以上になる。すごいパワーだ。

秋の紅葉だけでなく、春のアカヤシオの時期にもごみ拾いを兼ねたウオーキングをすると、渓谷はいちだんときれいになる。ただ見るだけの紅葉でもなく、花でもない。その風景の中に分け入ることで帰りにはさらに風景がきれいになる。時代の潮流とマッチしたイベントだと確信した。

会場になった牛小川の区長のKさんは当日早朝、隣組にきのこのおふかしとフキ・タケノコ・ゼンマイの油炒めを配った。「牛小川始まって以来の大イベント」を区長として祝い、支援する気持ちを表したのだ。その心意気こそが共同体の根源にあるものだろう。私は早速、おふかしを朝飯にして森の道案内に出かけた。

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