2008年12月27日土曜日

わが「誤字」に笑う


作家の森本誠一さんは、本業のほかに「写真俳句」にも力を入れている。まねをするわけではないが、このごろ、写真を撮るのが面白い。デジカメが体の一部になりつつあるような感じ、ということを前に書いた。

「散歩写真」だ。夏井川渓谷(いわき市)の上を通過するジェット旅客機にカメラを向ける=写真。鳥に、花に、落ち葉に、けもののフンに……。「オート」一辺倒だったのが、フラッシュをたかない方法やマニュアルにして接写する方法も覚えた。

アンデルセンの肖像を彫った木口木版画を手に入れたときには、横顔の「だまし絵」になっている頭髪をアップした。そのときの文章(12月18日)に誤字があった。カミサンの旧友が絵はがきで知らせてきた。私には「内緒に」という絵はがきを、カミサンが見せた。見たからには訂正しなければならない。

「無料サービス」とすべきところが「無量サービス」になっていた。笑った。ラーメンを食べた店が、無量に近い無料サービスをするからだ、というのは言い訳。紙媒体で仕事をしていたときにも、ときどき誤字が活字になった。「新約聖書」が「新訳聖書」になり、「改装」が「改葬」になった。冷や汗が三斗は出た。

カミサンの旧友は、自己分析ができる人でもある。「もともと私は、自分のことは棚に上げて人様のあげあしをとる性分ですが……」。この率直さがいい。少女の好奇心を持ち続けている。

さて、誤字の指摘をありがたく思って拝読していたら、「ん?」となった。「誤字」の字がどうも「誤字」ではない。誤字らしいのだ。「自分のことは棚に上げる」、まさにその通りではないか。よほどカメラで接写しようかと思ったが、やめた。
 
人生は喜劇だから、なんとか生きていられる。そういうものらしい。

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