2008年12月30日火曜日

2008年、いわきのキノコ


いわきキノコ同好会の総会・学習会兼懇親会が、一昨日(12月28日)、平・お城山の平安荘で開かれた。1年を振り返りながら、キノコ談議に花を咲かせる日である。会費を納め、スライドで学習し、会員の「成果」に耳を傾けながら、巡り来る年の「キノコ生活」に思いをはせた。

9月21日と10月5日に実施した観察会の記録や、個人の観察・採取情報などを加えると、2008年のいわき市のキノコ発生状況は次のようなものだった。

今年の梅雨入り・梅雨明けは平年並み、どちらかと言えばカラ梅雨傾向だった。夏は少雨・高温で蒸し暑くなり、チチタケ類が例年になく出現(大豊作)した。        
 
秋口の観察会では、キノコの出がいまひとつの中、思ったより多くのキノコが確認された。冨田武子会長による同定数は22科55種、不明菌33種。キシメジ科・テングタケ科・フウセンタケ科の個体数が多かった。

続く10月の観察会では19科66種が同定され、21種が不明菌とされた。キシメジ科・イッポンシメジ科・フウセンタケ科・ベニテングタケ科の個体数が多かった。

私の個人的な「成果」は、なんといっても師走に入ってから採取したヒラタケだ。大きくしっかりした個体がびっしり倒木に生えていた。3分の1は「ヒラタケ白こぶ病」=写真=にやられていたが、大半は無傷だった。

懇親会でも「ヒラタケ白こぶ病」の話題で盛り上がった。私は今年初めて「ヒラタケ白こぶ病」に遭遇した。が、ヒラタケ栽培農家では前々から被害が発生し、原因が分からずにいた。いわゆる「虫こぶ」の一種である。毒ではないにしても、気持ち悪いから食べない。当然、商品にはならない。

コウタケやマツタケ、クリタケなど、秋本番に発生するキノコはどうだったか。例年より早く出て、早く姿を消したらしい。いつも採取するクリタケは、例年、発生日がほとんど変わらない。で、その日前後にシロへ行ったが姿はなかった。結局、収穫ゼロ。

10月18日に阿武隈高地の双葉郡葛尾村で<福島県中山間ふるさと事業「あぶくまの水源をあるこう――葛尾川源流(五十人山)散歩と、間伐材利用のクラフト」>が実施された。いわきからマイクロバス2台で参加した。キノコ観察も組み込まれていたが、秋のキノコは「とっくに出終わって」いた。全体としては「キノコ大不作」の年だったのである。

キノコ談議の中で、方言名と和名が一致したキノコがある。クロカワ(和名)。夏井川渓谷の小集落・牛小川ではこれを「ツチカブリ」と呼んでいる。素人目には、クロカワの発見は難しい――ということも懇親会で学んだ。

こうして少しずつ「キノコ力」がついていくのが、「自然に親しみ、自然を大切にする心を養い、会員相互の親睦を図り、キノコ研究の普及・推進を目的とする」同好会のいいところである。

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