2009年5月25日月曜日

低断熱・低気密


「トカゲの飾りの上にトカゲがいる」「???」。カミサンの話がよく分からない。導かれるままに行くと、地域図書館(かべや文庫)として開放している部屋の、ディスプレー(元は透かし欄間)の先端にカナチョロ(ニホンカナヘビ)が鎮座していた。すぐ下には布でできたトカゲのストラップがつるしてある。

ストラップのトカゲに引かれたかどうかは分からない。が、地上最小クラスのトカゲもどきが部屋に入って来て、ディスプレーの欄間に駆け上がった。駆け上がったのはいいが、行き場を失って動きが取れないでいた。そんな風情である。レジ袋を広げるとポトリと入った=写真=ので、縁側から庭へ放してやった。

道路に面した粗末な家である。東西に生け垣、南に小さな庭。庭には草木が茂っている。葉を食害するガの幼虫やナメクジ、カタツムリ、コガネムシ、ほかにクモ、ワラジムシなど小さな生き物には事欠かない。カナチョロはいわば、これら小動物の頂点に立つ庭の王者だ。

「カナチョロのすむ家」は「スズメバチのやって来る家」でもある。5月21日の夕方、庭を背に戸を開けたまま晩酌を始めたら、キイロスズメバチが1匹、侵入して来た。おつむのてっぺんを刺されたらたまらない。ハエたたきで撃退した。

同じ日の昼、ヤブカが現れた。両手でパチッとやると、てのひらに赤い血が散った。私は刺されなかったから、ほかの人間の血を吸って動きが鈍くなっていたのに違いない。わが家にヤブカが出現するのは毎年5月20日ごろと決まっている。今年の初見は19日。車の窓を開けておいたら入り込んでいた。

「低断熱・低気密」の開放系住宅。ガタがきて家がすきまだらけになっている。カやスズメバチのほかに部屋の中を飛び回る虫は多い。「高断熱・高気密」の家に住む若い家族には、これが気になるらしい。自然素材で無煙・無臭の「ムシコナーズ」はないものか。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

虫がいて自然なんですがね!
わたしたち人間が共生できなくなっているのでしょう?

雨、風がしのげて寒いときは温かく暑いときは涼しく・・・このうえecoだというのだから虫ぐらいと思うんですがねぇ~


スズメバチうちにも襲来してきて彼らの居場所もとうとう近くに来てしまったかとスプレーで撃退して逃げています

匿名 さんのコメント...

美しい写真ですね!
袋の白がレフ板の柔らかい光りを反射させる効果なのでしょうか?
カナチョロモデルもよく撮れています!

それにしても怖いもの見たさで何度でも見たくなる写真ですね!