2011年3月10日木曜日

昼の地震


このごろ、カレンダーの日曜日と自分の日曜日とが合わなくなってきた。

ざっと3年前、会社をやめたときにはまだ“残像”があって、日曜日は日曜日だった。が、1年がたち、2年が過ぎると、日曜日の行事が増えて、自分の日曜日が月曜日にずれ、火曜日にずれ、このごろは水曜日にまでずれこむようになった。

(今、ふと思った。会社人間としての現役は卒業したが、社会人間としての現役が始まったのだ)

きのう(3月9日)は朝から昼過ぎまで、夏井川渓谷で過ごした。日曜日がこの日までずれ込んだのだ。無量庵の雨戸を開けて春の光を入れる、生ごみを埋める、庭の春を探す。それらを含めて自分の時間を楽しむ――というのが最近のならいだ。

間もなく正午、というときに、家がカタカタいいはじめた。急に風が吹き始めたかと思うくらいに、揺れは外からやってきた。大地の底からグラッとくる感じではなかった。<地震かな>。軽い身震いのようなものがしばらく続いた。そのうち、全体が揺れ始めた。<やっぱり地震だ>。それでも急にグラグラとはこなかった。横揺れだった。長かった。

こたつで本を読んでいた。真正面の対岸は岩盤の露出した急斜面だ。その林を凝視し続けた=写真。前夜に雪が降ったらしい。モミや裸の木の枝が雪をかぶっていた。林床も雪化粧をしていた。急斜面だから、しょっちゅう落石がある。地震の影響(落石)がないものか。目前の山に神経を集中した。見た目では、「崩れ」はなかった。

NHKラジオはすぐ特番に切り替わり、津波への警戒を伝え始めた。臨海の役場に電話を入れて状況を聞き始めた。

<あれっ>と思った。「港に人はいませんか」。いたら注意してください――まるで命令しているようなアナウンサーの口調だ。有事になると、NHKはオカミになるわけだ。なるほど。

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