2011年3月9日水曜日
<いわきの宝をさがす>
いわき経営推進懇話会に所属する知人から電話があった。定例会でいわきの文化人の話を、という。何年か前にも別のテーマで引き受けたことがある。断る理由がないのでOKした。
日時はその場でメモした。会場はプリントアウトされた地図が後日、届いた。いわきの文化人といっても漠然としている。いわきの文芸史を貫く「短詩形文学」(和歌・俳句・詩)にしぼってレジュメをつくり、知人に渡した。
この種の会合にしては珍しく内郷・国道6号沿いの食堂が会場だ。ふだんは通過するだけの、内郷駅近くの「目抜き通り」である。暮れなずむ通りを、通過車両がひっきりなしに往来していた。通りを歩くのはいつ以来か、ちょっと思い出せない。店に入るのはもちろん初めてだ。
夕食をとりながら、配られた資料を読む。同懇話会の今年の年間テーマは「歴史と文化<いわきの宝をさがす>。「短詩形文学」は、それこそいわきが誇る宝だ。戦国時代の連歌師猪苗代兼載から始めて、江戸時代の俳諧大名内藤風虎とその子露沾、明治~現代編では歌僧天田愚庵から詩人草野比佐男まで、20人ほどを紹介した。
話を終えたあとは、質疑応答を兼ねてしばらく懇談した。前はいつ話したのだったか。当の本人が「20年くらい前じゃないの」というと、知人が首をかしげる。懇話会の副会長さんが記録を見ながら、正確には平成14年5月で、テーマは「アカヤシオの谷から」だったことを告げる。9年前だ。なんていい加減な記憶か。
最後に、みなさんの写真を撮らせてもらって辞去すると、9時だった。夜のとばりが下りた「目抜き通り」は寂しく静かに眠り始めていた。
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