平のマチへ行くと(もちろんマイカーで)、帰りは必ず夏井川の堤防を利用する。鎌田~塩~中神谷のざっと3.5キロ区間だ。
ここが5月下旬から堤防工事のために通行止めになっている。それでこの3カ月は全く利用していない。
月遅れ盆2日目の8月14日、カミサンの実家で故義弟の供養をすませたあと、家に戻って一休みした。
そのあと気分転換をしたくなったのか、カミサンが「図書館へ行こう」という。私も返す本があった。
地元の区長さんによると、日・祝日と朝晩は堤防の通行ができる。この日はまだお盆休み期間中だ。工事は休みのはず。行きも帰りも利用することにして、旧国道6号バイパスの終点から堤防に出た。
天端のアスファルト道路にはところどころに「通行止め」の立て看があり、そこに「休工中」のシールが張られている。「通れる」というサインだ。
前に一度、夏井川の水量を確かめるために、途中まで堤防を利用したことがある。その先の鎌田まではほんとに久しぶりだ。
「堤防をなおす工事をしています」という標識も立っている。5月26日から10月31日まで、工事中(8時半~17時)は通行止め、とあった。
「令和元年東日本台風」で、いわき市では夏井川水系の平窪(平)を中心に、甚大な被害が出た。その復旧と国土強じん化工事が進められている。
具体的には河川敷の伐木・土砂除去と堤防補強などで、私が利用する堤防の対岸(右岸=北白土)では、仕上げにコンクリートブロックによる護岸工事が行われた。そして今度はこちら側、左岸の堤防工事に入ったというわけだ。
3カ月ぶりに見る夏井川の岸辺の風景には、やはり驚いた。すさまじい緑の繁殖。頭にまず浮かんだのがこの言葉だ。
土砂が除去され、地面が露わになっていた河川敷がすっかり草に覆われている。その草が丈高く伸びている。岸辺には早くもヤナギの幼樹が見られる。
堤内(人間が住んでいる側)のネギ畑には、3カ月前はなにもなかった。そのあと、ネギ苗が定植され、生長して緑の帯が何列もできていた。1回目の追肥と土寄せはまだのようだ。
なかでも驚いたのは、途中から堤防天端の両側にロープが張られ、ところどころピンクのテープが付いていたことだ=写真(帰り、鎌田からの眺め)。
ロープだけではない。工事用の杭と板がそこかしこに見られる。天狗巣(てんぐす)病で伐採されたソメイヨシノの並木跡もこの中に含まれる。堤防工事のために伐採されたのだと、あらためて理解できた。
春夏秋冬でいえば、ひと夏はここ夏井川の風景を見なかったことになる。ツバメは早くから渡って来た。オオヨシキリはどうだったか。「ギョギョシ、ギョギョシ」を聞いたことはあったか、なかったか。川面には留鳥のカルガモがいるばかり。
川の自然の移り行きから遠ざかっていると、こちらの季節のアンテナがさびて鈍くなる。工事が休みの日にはできるだけ堤防を利用することにしよう。
0 件のコメント:
コメントを投稿