2026年7月11日土曜日

キノコの発生地研究

                                               
   今年(2026年)の4月に区切りの会報第30号が発行された。それを機に、いわきキノコ同好会は解散した。

解散を決めた総会から季節がひとつ巡った去年4月、冨田武子会長が亡くなった。突然の訃報だった。

第30号は会長追悼号を兼ねることになり、私は冨田会長との思い出を主に、ブログを選んで寄稿した。

「福島きのこの会」の会長でもある阿武武さん(石川町)は、「いわきキノコ同好会のこと」と題して、同会の30年の歴史を振り返った。それとは別に、訃報に接したあと、冨田会長の業績記録を取りまとめて寄稿した。

阿部さんは令和7(2025)年12月、自身20冊目の出版物である『福島のキノコと裏磐梯の森』をまとめ、県内の図書館に寄贈した。

7月1日付の県紙で知り、いわき総合図書館にあるのを確認して、借りて読んでいる=写真。いわきキノコ同好会の会報に発表した論考などが収録されている。

阿部さんとはいわきのキノコの観察会、総会兼勉強会で何度か顔を合わせた。2018年9月、私が小川町の山中で撮影・採取したアカイカタケについては、直接、電話や手紙をもらった。

 それで、アカイカタケは福島県内にも関東にも記録がない、非常に珍しいキノコであることを知った。

そんなことを思い出していたときに目に留まった、ショッキングなニュースである(7月7日付朝日新聞)。

中国は武漢でのキノコ食中毒事故である。両親と山を訪れた9歳の少年が食菌とよく似た野生のキノコを採った。

「AIアプリが『毒はない』と判定した」ために調理して食べたら、「直後に嘔吐などの症状が現れ、急性肝不全などの合併症を引き起こした。病院の集中治療室に運ばれ、一時危篤状態に陥り、8日間入院した」という。

キノコは変異が多い。食用キノコか、毒キノコかは専門家でも難しい場合がある。その判断をAIにゆだねた? そんなことが可能なのか。

 キノコ同好会では観察会のあと、必ず鑑定会を開いた。参加者の採取したキノコがテーブルの上に置かれる。冨田会長らが1つひとつ見て回る。

同定に合わせて「食不適」「毒」「食毒不明」などと用紙に書き込まれる。種類の同定がつかないものもある。

同好会に入ったのは食欲のためだが、観察会・鑑定会と年末の勉強会を重ねるうちに、キノコの世界の奥深さを知った。

キノコは、色が多彩で形も多様。そのうえ、人知れず発生しては姿を消すものが多い。まだまだ未解明な世界だ。AIで食毒が判定できるのは、いわばほんの一部でしかない。

現場での学習、先輩からの助言、それでも危なっかしいものは食べない、そういう経験を重ねた人間からすると、食毒をいとも簡単にAIにゆだねるのは安易、いや危険すぎる。

 AIアプリを使ったのは、親か子どもかは定かではない。が、AI頼りのキノコ狩りは命にかかわるだけにやるべきではないだろう。阿部さんもこのニュースには危惧を抱いたのではないか。

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