2008年9月11日木曜日

「実りの秋」始まる


昨日(9月10日)早朝、夏井川渓谷(いわき市小川町)の無量庵へ車を走らせた。畑のキュウリを収穫するのが目的だが、それだけではもったいない。「三春ネギ」を収穫しよう、森のタマゴタケも見てみよう。「実りの秋」の始まりだ――俄然、心が躍った。

自宅から往復1時間、森の散歩小一時間。朝飯前にはわが家へ戻ることができるだろう。

キュウリは思ったより小さかった。日本晴れの日が続いても、朝晩は空気がひんやりしている。肥大スピードが落ちたようである。3日ごとではなく、4日ごとにチェックするのがよさそうだ。

「三春ネギ」は大きくなったのを3本引っこ抜く。そのあとすぐ、森へ入った。タマゴタケは点々と10個ほどあった。そのうち頭を出しかけた3個と、傘を開いた3個の計6個を採る。キュウリ、ネギ、キノコ、それに赤くなった激辛唐辛子が1本。かごの中身がカラフルになった。大葉(アオジソ)も花をつけ始めた。穂ジソをかごに加える=写真。

わが家へ戻って早速、「三春ネギ」を小口切りにして朝食の味噌汁に入れる。曲がりネギにした「三春ネギ」としては初物である。「三春ネギ」は白根も緑の葉も食べる。軟らかい。が、甘みはいまひとつ。もっと冷え込まないと甘みが増さないのだろう。

タマゴタケはカミサンが昼、うどんのスープにした。ファーブルはキノコ好きで、料理も得意だった。『ファーブル昆虫記8 伝記 虫の詩人の生涯』(奥本大三郎訳・解説=集英社刊)にこうある。

「(ファーブル)先生はキノコの研究もすきでしたが、キノコ料理もだいすきでしたから、秋のシーズンになると、さまざまなめずらしいキノコをとってきて(略)友人たちや弟子たちをまねくのです。/『さあ、きょうは珍品のタマゴタケがありますよ。これはあなたもあじわったことがないはずです。これがどんなにおいしいことか……』」

タマゴタケは、フランスでは珍品扱い。そのうえ、煮込むのが「ファーブル先生」の流儀らしい。煮込んだらタマゴタケの真っ赤な色は飛ぶだろう。澄まし汁にして色を楽しむ日本の料理とはだいぶ違う。どんな料理だったかまでは、奥本先生も書いていない。

穂ジソは、カミサンがキュウリを刻んで浅漬けにしたのを昼に食べた。これも「実りの秋」の香りである。

そういえば、いわきキノコ同好会から9月21日と10月5日にキノコ観察会を開くという知らせが届いた。こちらも秋の便りである。久しぶりに参加してキノコを学ぼう、そんな気持ちになっている。

0 件のコメント: