匿名さんから「平から大滝根山が見える」(9月6日付)に関してコメントをいただいた。「大滝根がふるさと」という小学校の恩師の思い出に触れながら、「先生が話される大滝根の豊かな自然と少年時代の先生の話に限りなく想像力をかき立てられました」と往時を振り返っている。大滝根山の自然の豊かさに関してはその通りだと思う。
山頂に航空自衛隊のレーダーサイトがある。終戦後、レーダーサイトを使用していた米軍から昭和34年、航空自衛隊に移管された。一般人はそれで今も山頂への立ち入りが制限されている。盗掘の憂き目に遭いやすい植物には、それが幸いした。自衛隊が駐屯していることで、結果的に大滝根山の自然が守られてきた、という面は否定できない。
もう25年近く前になるが、いわきの仲間と大滝根山へ登ったことがある。お目当ては劇作家の故田中澄江さんが『花の百名山』でほめたたえたシロヤシオの花。5月末がちょうど花の時期で、山頂付近の基地直下、北西斜面の大群落は行けども行けども白い花の海だった。その下ではアズマシャクナゲの花も満開だった。
秋に川内村役場の骨折りで、いわきの団体がレーダーサイト内の植物観察会を行ったことがある。それにも参加した。トリカブトの鮮やかな紫色の花が印象に残っている。
平から大滝根山が見える、といっても、いわき市役所「9階」のいわき未来づくりセンターにある20倍のスコープを使ってだから、肉眼では難しい。いや、晴れて澄んだ日には肉眼で見える、という話もある。視力が減退した人間には反論できない。見えるにこしたことはないからだ
平ではないが、肉眼ではっきりと大滝根山の山容をとらえたいときには、いわき市川前町の「スーパー林道」こと広域基幹林道上高部線まで車を走らせる。そこからなら、向かい山の感覚で大滝根山が見える=写真。
ふるさとの山ながら、南東方面から見るといささか印象が異なる。2つのレーダードームは子どものときから見知った形ではあるが、右手2カ所にアンテナ塔が各3基ある。植物観察会のときに見ていたはずなのに、すっかり忘れていた。もっと右手に見える四角っぽい建物は宿舎だろう。山頂全体に基地が展開していることがよく分かった。
ところで、「スーパー林道」である。いつも利用するたびに「これはオレ1人のための道路だ」という思いにとらわれる。まず対向車と出合ったことがない。9月27日は土曜日だったために、道端に2台(帰りは5台に増えていた)、車が止まっていた。キノコ採りの季節に入ったのだ。
幅員5メートル、延長14キロメートルの「1級林道」は維持管理がどの程度なされているのか。場所によっては、両側からススキが「うらめしやー」「おいで、おいで」をやっていて、急に狭くなる。いずれ「けもの道」になってしまうのではないか。そんな危惧さえ抱かせる「スーパー林道」だ。
ただ個人的には、いわき市のお隣・川内村に住む陶芸家夫妻の家へ行くのに、この「スーパー林道」を利用すると一番早い、という利点はある。
今度、「スーパー林道」から大滝根山を見て分かったのだが、いわき未来づくりセンターでは山頂を見ながら夏井川流域全体に思いが至るのに、「スーパー林道」ではひたすら懐郷の念にかられた。いかんともしがたい心の揺れである。
山頂に航空自衛隊のレーダーサイトがある。終戦後、レーダーサイトを使用していた米軍から昭和34年、航空自衛隊に移管された。一般人はそれで今も山頂への立ち入りが制限されている。盗掘の憂き目に遭いやすい植物には、それが幸いした。自衛隊が駐屯していることで、結果的に大滝根山の自然が守られてきた、という面は否定できない。
もう25年近く前になるが、いわきの仲間と大滝根山へ登ったことがある。お目当ては劇作家の故田中澄江さんが『花の百名山』でほめたたえたシロヤシオの花。5月末がちょうど花の時期で、山頂付近の基地直下、北西斜面の大群落は行けども行けども白い花の海だった。その下ではアズマシャクナゲの花も満開だった。
秋に川内村役場の骨折りで、いわきの団体がレーダーサイト内の植物観察会を行ったことがある。それにも参加した。トリカブトの鮮やかな紫色の花が印象に残っている。
平から大滝根山が見える、といっても、いわき市役所「9階」のいわき未来づくりセンターにある20倍のスコープを使ってだから、肉眼では難しい。いや、晴れて澄んだ日には肉眼で見える、という話もある。視力が減退した人間には反論できない。見えるにこしたことはないからだ
平ではないが、肉眼ではっきりと大滝根山の山容をとらえたいときには、いわき市川前町の「スーパー林道」こと広域基幹林道上高部線まで車を走らせる。そこからなら、向かい山の感覚で大滝根山が見える=写真。
ふるさとの山ながら、南東方面から見るといささか印象が異なる。2つのレーダードームは子どものときから見知った形ではあるが、右手2カ所にアンテナ塔が各3基ある。植物観察会のときに見ていたはずなのに、すっかり忘れていた。もっと右手に見える四角っぽい建物は宿舎だろう。山頂全体に基地が展開していることがよく分かった。
ところで、「スーパー林道」である。いつも利用するたびに「これはオレ1人のための道路だ」という思いにとらわれる。まず対向車と出合ったことがない。9月27日は土曜日だったために、道端に2台(帰りは5台に増えていた)、車が止まっていた。キノコ採りの季節に入ったのだ。
幅員5メートル、延長14キロメートルの「1級林道」は維持管理がどの程度なされているのか。場所によっては、両側からススキが「うらめしやー」「おいで、おいで」をやっていて、急に狭くなる。いずれ「けもの道」になってしまうのではないか。そんな危惧さえ抱かせる「スーパー林道」だ。
ただ個人的には、いわき市のお隣・川内村に住む陶芸家夫妻の家へ行くのに、この「スーパー林道」を利用すると一番早い、という利点はある。
今度、「スーパー林道」から大滝根山を見て分かったのだが、いわき未来づくりセンターでは山頂を見ながら夏井川流域全体に思いが至るのに、「スーパー林道」ではひたすら懐郷の念にかられた。いかんともしがたい心の揺れである。
1 件のコメント:
>今度、「スーパー林道」から大滝根山を見て分かったのだが、いわき未来づくりセンターでは山頂を見ながら夏井川流域全体に思いが至るのに、「スーパー林道」ではひたすら懐郷の念にかられた。いかんともしがたい心の揺れである。
故郷を離れて暮らす人の気持ちの中には 何時も故郷の川が流れているのですよね。
先にコメントしましたが 淡く霞んだ大滝根のお写真 嬉しく拝見いたしました。
シロヤシオという花のことも初めて知りました。いつか見たいです。
大滝根・・・根本先生・・・6年2組・・・ 玉造り川・・・私の中に今も流れている川です。
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