2008年9月22日月曜日

いわき市議選を山里からみると


いわき市川前町~小川町にまたがる夏井川渓谷には、小集落(小川分は上流から牛小川、椚平、江田)が飛び飛びにある。

集落を貫く県道小野四倉線沿いにいわき市議選のポスター掲示板が立てられ、9月14日の告示後間もなく立候補者のポスターで埋め尽くされた=写真。立候補者45人全員のポスターが張られてある。と思ったら、違った。1人が未掲示だった。渓谷の上流、川前地区の様子は分からないが、椚平もそうだった。

いわき市は小さな県並みに広い。とはいえ、市域の7割は森林だ。人口の8割は平地の都市部に集中している。つまり、緑が豊かだと言っても山地の人口はたかが知れている。どの陣営もそのことは承知している。それでもポスターを張って認知度を上げようとするのが運動の基本だろう。

未掲示のポスターを山里の視点で考えると、陣営の組織力の限界か、単なる運動員のミスか――ではなくなる。1人欠落した掲示板を眺める住民の気持ちとしては、「この(ポスター未掲示)候補者は山里の住民を捨ててかかっている。ここはいわき市ではないのか」となるからだ。

日曜日(9月21日=投票日)、たまたまいわき市南部の山里へ出かけた。その道すがら、同じ候補者のポスターが欠落しているのを見た。別の候補者のポスターが欠落している掲示板もあった。あらためて「山里への想像力がすっぽり抜けている」という思いを強くした。

選挙ポスターの掲示板には重い意味がある。定数40のところ45人が立候補した。どんな候補者なのか、最初の手がかりにして最後の判断材料が掲示板のポスター、という人がいないわけではないだろう。ポスター未掲示候補者はその判断をしなくてもいいと、みずから否定したことになる。

もっとも、今朝(9月22日)、渓谷へひとっ走りしたら、椚平も牛小川もポスターが埋まっていた。南部の山里まで張り切れなかったということか。                                      
市民の審判が下った。ポスター未掲示候補は浮上できなかった。最も身近な選挙で掲示板に穴が開く、といったことは過去にあったかなかったか。「それみろ」などというレベルを超えて、そのことが気になる。

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