2009年12月21日月曜日

夏井川渓谷に雪が


きのう(12月20日)の朝、いつものように夏井川に沿う県道をさかのぼって夏井川渓谷の無量庵へ出かけた。師走も後半。一年の始末をつける意味でも庭木の剪定枝、それを燃やさなくてはならない。庭の刈り草も燃やしたい。草木灰をつくるのが毎年暮れの行事になった。そうして初めて、気持ちがすっきりして正月を迎えられる。

JR磐越東線の高崎踏切を過ぎて「地獄坂」を上りきると、夏井川渓谷だ。夏井川渓谷に入ったとたん、道端に雪が残っているのが目に留まった。さすが「超広域都市」のいわき市だ。「サンシャインいわき」でひとくくりにするわけにはいかない。あらためて、いわき市は「3極3層=ダブルトライアングル」であることを実感した。

ざっと1カ月半前、匿名さんから当欄にコメントをいただいた。「いわき市は客観的にみてどう映るのか、よい面も悪い面も含めて」「土地柄は人柄ではないか」「いい街はたぶん、いい人たちが街そのものを形成している」――悶々として答えようがなかったのだが、この“ふっかけ雪”を見て私の「いわき観」を話してみたい、という気になった。

いわきの地域構造をどうとらえるか――そのために、もう30年以上は費やしたかもしれない。いわきという地域が広すぎてつかみどころがないのだ。で、自分なりにたどり着いたのが、川=流域による把握。その結果としての「いわきはダブルトライアングル」だ。

「3極」は平(夏井川)・小名浜(藤原川)・勿来(鮫川)。それぞれの流域の中心=極をなす。「3層」はいずれの流域にも共通するが、ウミ(沿岸域)・マチ(平地)・ヤマ(山間地)のつながりのことだ。広いいわきをコンパクトなかたちに還元してとらえる。そうした方が理解しやすいというのが、いわきをウオッチングしてきた結果としての私の考えだ。

マチでは雪は降らなかった。が、ヤマでは雪が降った。勿来では豪雨だった。が、平は晴れ、雨は降らなかった。風土が違う。いわきにはウミの風土、マチの風土、ヤマの風土があるのだ。そして、同じマチの風土でも天気が違う。これは大きい違いだ。土地柄は人柄、その通りだと思う。

だから、たとえば切り通しの種子吹き付け工事を、ウミ・マチ・ヤマの風土抜きに一律にやっていいのか、風土に合わせて中身を替えるべきではないのか、ということを考えるようになって、3極3層の「ダブルトライアングル」にたどり着いたのだった

人口の8割が暮らしている平地について言えば、よい面は冬の日照時間がたっぷりあること、悪い面は、というには抵抗があるが、それの裏返しで冬の寒さ・雪への関心が薄いこと、つまり山地や北国の人たちに比べて冬の暮らしの知恵が足りないことか。これは文化の比較だから、優劣ではない。

阿武隈の山の中で生まれ育った私には、いわきの平地の冬の住みよさがなんとも楽でならなかった。いわきは「春夏秋、ちょっと寒い秋。冬がない」と思ったものだ。

さて、話を現実に戻す。夏井川渓谷を進むごとに雪の量が増えてきた。籠場の滝ではすぐ下流の岩盤が雪で覆われていた。

こうなると、「野焼き」よりまず探検だ。無量庵に着いたあと、森に入った。北向きの斜面と小道にも雪が残っていた=写真。小動物の足跡がくっきりと残っている。しばらく今冬初めての雪を楽しんだ。

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